【プロ解説】着物染み抜き料金相場+相場で選ぶと損をする「4つの理由」

「あ、汚れてる…」お気に入りの着物や、大切な思い出が詰まった一着にシミを見つけたとき、とてもショックですよね。
「クリーニングに出したらいくら位かかるのかしら?」「古いシミだけど、本当にきれいになるの?」「相場がわからないから、高額な請求をされないか不安…」
そんな悩みをお持ちの方のために、着物お手入れ専門店のプロが、着物のシミ抜き料金の相場と、失敗しないお店選びのポイントをわかりやすくまとめました。

あなたの着物を、もう一度安心してお召しいただけるよう、適正な価格とプロの視点でお手伝いいたします。まずはこの記事で、目安を確認してみてくださいね。
大切な着物を守るために知っておきたい「シミ抜き」の料金相場


「お気に入りの着物にシミを見つけてしまった」「ずっと大切にしていたから、きれいに直したい」…。そんなとき、一番気になるのが「いったい、いくらかかるの?」という料金のことではないでしょうか。
着物のシミ抜き料金は、お洋服のクリーニングのように「一律〇〇円」と決まっているわけではありません。シミの種類や状態、付いてからの時間によって、職人がかける手間が異なるからです。
まずは、一般的なシミ抜きの料金相場を「新しいシミ」と「古いシミ」に分けて見ていきましょう。
【早見表】新しいシミ・古いシミの料金目安一覧
お客様がご自身の状況をすぐにイメージできるよう、目安となる料金表【平均】をまとめました。

※上記は直径1cm程度のシミを想定した一般的な相場です。
※着物の種類や生地の状態によって変動する場合があります。
各社の着物シミ抜き料金情報元
- わ蔵様の場合 4,400円~
- 洗匠工房様の場合 550円~
- そめの近江様 1,650円(1~2ヶ所程度)
- きもの医様 400円~1,600円
- きものシミ抜き専科様 3,300円~
- 当社きものサロン創夢の場合 550円~
※料金価格はいずれも税込価格です。
※2024年2月時点の公式サイト料金表の情報を基にしています。
はじめに:そのシミ、諦める前に相場をチェック
「もう何年も前のシミだから、落ちないかもしれない…」そう思って、大切な着物をタンスの奥に眠らせたままにしていませんか?
実は、一見すると手遅れに見えるような古いシミ(黄変)であっても、専門の技術があれば驚くほどきれいによみがえるケースがたくさんあります。
確かに、古いシミは新しいシミに比べて作業工程が多くなるため、料金は少し高めになります。しかし、「相場を知ること」で、法外な料金を請求される不安をなくし、納得してお手入れを依頼できるようになります。
まずはこの目安を参考に、あなたの大切な着物をもう一度袖を通せる状態にするための第一歩を踏み出してみませんか。
着物のシミ抜き料金が決まる「3つの基準」
着物のシミ抜きを依頼するとき、「どうして一律の料金じゃないの?」と不思議に思うかもしれません。実は、着物のシミ抜きは機械で一気に洗うのではなく、職人が一つひとつの汚れを顕微鏡レベルで確認し、手作業で処置を行う「修復作業」だからです。
料金を決定する主な基準は、以下の3つです。
1.シミの「大きさ」:1cmごとに料金が変わる理由
着物のシミ抜き料金は、原則としてシミの範囲(直径)に比例します。
シミ抜きは、デリケートな絹の繊維を傷めないよう、周囲と馴染ませながら慎重に汚れを追い出していく作業です。シミが大きくなればなるほど、使用する薬剤の量が増えるだけでなく、職人が一点にかける「集中力」と「時間」が大幅に増えるため、段階的に料金が設定されています。
💡サイズの目安
- 1cm以下: 1,000円前後の基本料金で収まることが多いです。
- 2〜3cm以上: 広範囲にわたるため、特殊な機材や高度な技術が必要になり、料金が上がります。
2.シミの「種類と古さ」:時間が経つほど難易度が上がる
シミ抜きでもっとも重要なのが「付いてからどれくらい時間が経っているか」です。
新しい汚れ(食べこぼし・泥はねなど)
まだ繊維の表面に汚れが乗っている状態です。比較的スムーズに落とせるため、料金もリーズナブルに抑えられます。
古い変色(黄変・酸化した汗染みなど)
半年以上経ったシミは、汚れが酸化して「黄変(おうへん)」という状態になります。これは汚れではなく、生地そのものが変色してしまっている状態。「漂白」や「色の修正(染色補正)」が必要になるため、新しいシミよりも手間と時間がかかり、料金が高くなります。
3.シミの「数」:複数箇所ある場合の計算方法
シミ抜き料金は、基本的に「1ヶ所につきいくら」という計算になります。
例えば、1,000円で落とせる小さなシミが3ヶ所あれば、合計で3,000円となります。ただし、小さなシミが全体に散らばっている場合や、あまりに数が多い場合は、一箇所ずつ計算するよりもお得な「セット料金」や、丸ごと綺麗にする「全体洗い」をご提案できるケースもあります。
🌸職人からのアドバイス:まずは「現状」を知ることが大切です
「古いし、数も多いから、すごく高くなるんじゃ…」と不安な方もご安心ください。
私たちは、作業に入る前に必ずお見積りをお出しします。お見積りを確認していただき、「この着物の価値と、これからの思い出のために、どこまで直すか」を一緒に相談して決めることができます。
まずは無理に全部直そうとせず、「一番目立つところだけ」といったご相談も大歓迎です。
徹底比較!着物シミ抜きの種類別・費用シミュレーション
「私のこのシミ、結局いくらになるの?」という疑問にお答えするために、よくある4つのケースを例に、具体的な費用感をシミュレーションしてみました。
※状態によって前後しますが、目安としてお役立てください。
ケース1:うっかり付けた「新しい食べこぼし」の費用
状態:披露宴や食事会で付いた、醤油やワインのシミ(直径1〜2cm程度)。
- 経過期間:1週間以内
- 作業内容:汚れに合わせた薬剤によるシミ抜き(油性・水性処置)
- 費用の目安:1,200円〜2,000円前後
付いてすぐなら、生地へのダメージも少なく、もっとも安くきれいに落とせる状態です。何もせずそのままお持ちください。
ケース2:数年放置してしまった「茶色い変色(黄変)」の費用
状態: 襟元や胸元にある、昔の汗や汚れが酸化して浮き出てきた茶色いシミ。
- 経過期間:3年〜10年以上
- 作業内容:漂白作業+抜けた色を補う「染色補正」
- 費用の目安:3,500円〜6,000円前後
生地そのものが変色しているため、ただ洗うだけでは落ちません。筆で色を差し直す職人技で、目立たなく修復します。
ケース3:自分では気づきにくい「襟・袖の皮脂汚れ」の費用
状態: 久しぶりに広げたら、襟元や袖口が全体的に黒ずんで、テカリが出ている。
- 経過期間:前回の着用以来、数ヶ月〜数年
- 作業内容:襟・袖の集中部分洗い+全体丸洗い
- 費用の目安:5,000円〜8,000円前後(丸洗い代込み)
部分的なシミ抜きよりも、お着物全体の「丸洗い」とセットで行うのがお得です。全体の黒ずみもスッキリしますよ。
ケース4:全体に広がった「カビ」の除去費用
状態:タンスを開けたら、着物全体に白い粉のようなカビが広がっている。
- 経過期間:保管状況による(梅雨時期など)
- 作業内容:カビ菌の殺菌+カビ落とし+全体クリーニング
- 費用の目安:10,000円〜18,000円前後
カビは放置すると生地を食べて「穴」を空けてしまうことも。早急な処置が必要ですが、丁寧な殺菌でお直し可能です。
🌸大切なのは「どこまで直したいか」のご希望です
シミュレーションの金額を見て、「少し予算オーバーかも…」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
私たちは、無理にすべてのシミを落とすことを強制はしません。「表から見える襟元だけをきれいにしたい」「予算〇〇円以内で収めたい」といったご相談も承っております。
「予算に合わせて、最適なプランを一緒に考える」。それが私たちの誠実なスタイルです。
相場だけで選ぶと損をする?お店選びの「4つの落とし穴」


ネットで検索すると、相場よりも極端に安いお店を見かけることがあります。「安いに越したことはない」と思われがちですが、着物のシミ抜きに関しては少し注意が必要です。安さだけで選んでしまうと、結果的に損をしてしまう「4つの落とし穴」があります。
1.「シミ抜きだけ」では受け付けてくれない店がある
「シミ抜き1ヶ所500円」と書いてあっても、実際には「丸洗い(全体クリーニング)」への加入が必須で、合計すると結局1万円を超えてしまうケースが少なくありません。
もちろん、全体を洗うのは着物にとって良いことですが、「このシミ一箇所だけサッと直してほしい」というお客様のニーズに応えてくれるかどうかを確認することが大切です。
2.「古いシミ(黄変)」は技術力で仕上がりに差が出る
新しいシミを落とすのは、ある程度の設備があれば可能です。しかし、数年経った「黄変(おうへん)」は、生地の繊維を傷めずに漂白する高度な知識が必要です。
技術力が不足しているお店では、「これ以上は落ちません」と断られたり、無理に作業して生地をボロボロにしてしまったりするリスクがあります。
3.抜けた色を補う「染色補正」ができない店がある
古いシミを落とす過程では、汚れと一緒に着物の「地色」もどうしても少し抜けてしまいます。
そこで必要になるのが、抜けた部分に筆で色を差し、元通りに見せる「染色補正(せんしょくほせい)」という技術です。この技術がないお店に頼むと、シミは消えても「そこだけ色が白っぽく抜けている」という残念な仕上がりになってしまいます。
4.「一律料金」をうたう業者には注意が必要な理由
「どんなシミでも一律〇〇円!」という看板は安心感がありますが、着物のシミは千差万別です。一律料金のお店の中には、「落ちやすい簡単なシミだけ作業して、落ちにくいものはそのまま返却する」という仕組みのところも存在します。
大切な着物だからこそ、一律の機械的な対応ではなく、一点一点の状態を見て誠実に見積もりをしてくれるお店を選びましょう。
🌸失敗しないお店選びのチェックリスト
もし迷ったら、そのお店が以下の条件を満たしているか確認してみてください。
- シミ抜きだけでなく「染色補正(色差し)」ができるか?
- 作業前に「確定したお見積り」を提示してくれるか?
- 古いシミ(黄変)の実績が豊富か?
- シミ抜き単品での依頼も相談に乗ってくれるか?
失敗しないための「お見積り」から「ご依頼」までの流れ
「シミ抜きをお願いしたいけれど、どうすればいいの?」という方のために、初めての方でも安心なご依頼の流れをまとめました。
きものサロン創夢では、お客様の大切な着物を守るため、作業前に必ず「納得のいくお見積り」をお伝えすることを徹底しています。
STEP 1:スマホでパシャリ!LINEで無料診断
まずは、シミの状態をスマートフォンで撮影してLINEでお送りください。店舗に持ち込んだり、郵送したりする前に、概算の費用をお伝えできるため「思っていたより高かった」という失敗を防げます。
- 撮影のコツ:「着物全体の写真」と「シミのアップ写真(横に定規や硬貨を置くとサイズが分かりやすいです)」の2枚あると、より正確に診断できます。
- 相談無料:「これってカビ?」「古いけど落ちる?」といったご質問もお気軽にどうぞ。
STEP2:お着物を「創夢」へ送る・持ち込む
概算のお見積りにご納得いただけましたら、お着物を店舗へお持ちいただくか、宅配便にてお送りください。
- 梱包のコツ:水濡れ防止のためにビニール袋に入れ、厚紙やダンボールで折れ曲がらないように梱包していただくと安心です。
- 送付先: きものサロン創夢 〒604-8823 京都市中京区壬生松原町49-6
STEP 3:プロの目による「最終お見積り」
お着物が届き次第、職人が一枚一枚、光を当てて詳しく検品いたします。シミの深さ、生地の状態、染色補正の必要性を確認し、「最終的な確定金額」と「仕上がり予定日」をメールやお電話、LINEでご連絡します。
ここがポイント!
予算をオーバーしてしまう場合は、この時点でキャンセルや「目立つ場所だけの処置」に変更することも可能です。お客様の承諾をいただくまで、勝手に作業を進めることはありません。
STEP 4:熟練職人によるシミ抜き・修復作業
お見積りにご納得いただけましたら、いよいよ作業開始です。明治39年から受け継がれてきた伝統の技で、生地を傷めないよう丁寧に、かつ確実にシミを落としていきます。
STEP 5:きれいに蘇ったお着物がお手元へ
作業が完了しましたら、丁寧にお包みして発送(または店頭お渡し)いたします。新しく生まれ変わったお着物を、ぜひ次の機会に晴れやかな気持ちでお召しください。
まとめ:大切な着物の美しさを取り戻すために
着物のシミ抜きは、単に汚れを落とすだけの作業ではありません。その着物に刻まれた思い出や、お召しになる方のこれからの大切な時間を、もう一度輝かせるための「修復」だと私たちは考えています。
「料金がわかりにくいから」「古いシミだから、もう無理かもしれない」
そんな理由で、大好きな一着を諦めてしまうのは、とてももったいないことです。この記事でご紹介した料金相場やお店選びのポイントが、あなたの不安を少しでも解消し、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
私たち『きものサロン創夢』は数えきれないほどの着物と向き合ってきました。確かな技術はもちろんですが、私たちが一番大切にしているのは、「お客様に納得していただき、心から喜んでいただくこと」です。
作業前に必ずお出しするお見積り、そして職人が一点一点筆を握って行う丁寧な作業。それらすべては、お客様の大切な宝物を、最善の形でお手元にお戻しするためにあります。
もし今、タンスの中で眠っている着物があるのなら、ぜひ一度その想いを聞かせてください。あなたが再びその着物を身にまとい、晴れやかな笑顔で過ごせる日が来ることを、心より願っております。














