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その着物、結婚式で大丈夫?プロが教えるNGな柄と色・失敗しない選び方

その着物、結婚式で大丈夫?

「結婚式にこの柄の着物を着ていっても大丈夫?」そんな不安を抱えてこの記事に辿り着いた方も多いのではないでしょうか。

格式高いお祝いの席だからこそ、マナーだけでなく「縁起」や「花嫁との調和」への配慮が欠かせません。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。

プロの視点から、「これだけは避けておきたい着物の柄と色」をまとめました。ルールに縛られすぎず、自信を持って当日を迎えるためのヒントとしてお役立てください。

結婚式での着物NGな柄と色結婚式での着物NGな柄と色

結婚式で「縁起」の観点から避けたい着物の柄

お祝いの席である結婚式では、古くから「吉凶」を占う日本の伝統的な考え方が大切にされています。良かれと思って選んだ柄が「別れ」や「不吉」を連想させないよう、専門家の視点から詳しく解説します。

桜(メイン柄・写実的なもの)

【理由】「すぐに散る」ことから、幸せの短さを連想させるため
桜は日本の国花であり大変人気がありますが、写実的(リアル)に描かれた桜や、花びらが舞い散る「桜吹雪」の柄は、お祝いの席では注意が必要です。桜は開花期間が短く、潔く散るさまが「短命」や「幸せが早く終わる」というイメージに繋がることがあるためです。

安心な選び方

他の四季の花々と一緒に描かれているものや、丸みを帯びた「桜文(さくらもん)」としてデザイン化されているものであれば、季節を問わず通年着られる吉祥文様として歓迎されます。

椿(メイン柄・写実的なもの)

【理由】「花が丸ごと落ちる」様子が、不吉な出来事を連想させるため
椿は冬の寒さの中で咲く高貴な花ですが、花が終わる際に花びらが散らず、頭からポトリと落ちる特徴があります。これが古来より「首が落ちる」様子を連想させ、特にお祝い事では避けるべきとされてきました。

安心な選び方

椿をメインにしたリアルな絵画調のものは避け、形が簡略化されたモダンなデザインや、他の柄の引き立て役として小さく描かれているものを選びましょう。

藤(下がり藤・写実的なもの)

【理由】「下がる」という言葉が、運気の低迷を連想させるため
藤の花は非常に美しく、振袖や訪問着でも人気の柄ですが、リアルに描かれた「下がり藤」は、文字通り「下がる」という言葉に繋がります。これが「家運が下がる」「運気が落ちる」という解釈を生むため、婚礼の場では控えるのが無難という考え方があります。

安心な選び方

藤の花先が上を向いて描かれている「上がり藤」や、他の花と束ねられた「花束(たばね)」の一部として描かれているものであれば、全く問題ありません。

蝶(メイン柄・写実的なもの)

【理由】「移り気」や「短命」というイメージがあるため
ヒラヒラと花から花へ飛び回る蝶は、その性質から「浮気(移り気)」を連想させることがあります。また、幼虫からさなぎ、成虫へと姿を変えるドラマチックな生き物ですが、虫であることから「命が短い」という捉え方をされる場合もあります。

安心な選び方

蝶は「不老不死」や「夫婦円満」の象徴とされる側面もあります。家紋のように図案化されたものや、正倉院文様のような格の高いデザインであれば、お祝いの席にふさわしい立派な装いになります。

マナー以前に「心遣い」として気をつけたい柄

最近は、洋服のような感覚で着られる「モダン柄」の着物が増えています。これらは決してマナー違反ではありませんが、結婚式においては「花嫁の装いと重ならないか」という視点を持つことが、最大の心遣いとなります。

白や淡い色の「百合」(写実的な柄)

【理由】花嫁のブーケや髪飾りの「定番」と重なりやすいため
白い百合は「純潔」の象徴であり、ウェディングドレスや白無垢に合わせるブーケの代表格です。着物の柄に大きな白い百合が描かれていると、写真に写った際、主役である花嫁の小物と印象が強く被ってしまうことがあります。

安心な選び方

花嫁と見間違えることはありません。また、デフォルメされた小さな百合のデザインなら、さりげない華やかさになります。

白や淡い色の「バラ」(写実的なメイン柄)

【理由】洋風の式場では、花嫁のメインフラワーになりやすいため
バラはモダンな振袖や訪問着に多い人気の柄ですが、結婚披露宴のテーブル装花や花嫁のメインブーケにも最もよく使われる花です。特に白や淡いピンクのバラが大きく描かれた着物は、会場の主役級の装飾と「同化」してしまい、ゲストとしての控えめな美しさが損なわれる場合があります。

安心な選び方

バラをモチーフにするなら、金彩だけで縁取られたものや、地色に馴染む落ち着いたトーンのものを選ぶと、花嫁を立てつつ現代的なおしゃれを楽しめます。

白い「カラー」

【理由】スタイリッシュな花嫁が選ぶ「象徴的な花」だから
最近のウェディングシーンでは、スッと伸びた「カラー」の花も非常に人気です。非常に目立つ形をしているため、着物の柄として大きく入っていると、遠目からでもかなり主張が強くなります。白を基調としたモダンな着物を選ぶ際は、こうした「花嫁が選びそうな花」がメインになっていないか一度確認してみましょう。

安心な選び方

どうしても着たい場合は、帯揚げや重ね衿などの小物にアクセントカラーを使い、全体が「白っぽく」なりすぎないようコーディネートを引き締めるのがコツです。

マナーやルールではなく「思いやり」を

着物の世界には「白い花を着てはいけない」という厳格な決まりはありません。しかし、今は誰もがスマホで写真を撮り、SNSで共有する時代です。

後で見返したときに、「花嫁が一番輝いていて、その隣で優しく華を添えている自分」が写っていること。そんなゴールを想像して柄を選ぶことこそが、着物上級者の素敵な「心遣い」と言えるでしょう。

結婚式の着物「色」の正解は?白や黒の注意点

柄だけでなく「地色」選びも、式当日の印象を大きく左右します。「着物なら白でも大丈夫」という説もありますが、現代の結婚式シーン(写真撮影や照明)に合わせた最新の考え方をプロの視点で解説します。

白はマナー違反ではない?でも「写真目立ち」に要注意

【プロの視点】レンズを通すと、花嫁以上に目立ってしまうリスクがあります
和装の世界では、ゲストが白い着物を着ることは決してマナー違反ではありません。しかし、近年のデジタルカメラやスマートフォンの性能向上により、思わぬ落とし穴が生じています。

白地の着物は光を強く反射するため、集合写真では「発光」しているかのように白く浮き上がり、主役である花嫁と同じくらい、あるいはそれ以上に目立ってしまうことがあるのです。

失敗しないためのアドバイス

純白ではなく、少し色味の入ったアイボリーやベージュ、あるいは地紋(織り模様)がしっかり入ったものを選ぶと、写真でも落ち着いた上品な印象になります。

黒はOK!ただし「黒振袖」の小物と柄行には工夫を

【プロの視点】「お祝いの黒」と「成人式の黒」は、着こなしが異なります
黒留袖が既婚女性の第一礼装であるように、結婚式で「黒」を選ぶこと自体は全く問題ありません。注意したいのは、若い方が着る「黒地の振袖」です。

最近の黒振袖は、柄が非常に大きく現代的なものが多く、会場で想像以上に強く主張します。また、黒は他の色を引き立てるため、中の襟(半襟)や足袋をカジュアルな色物にすると、途端にフォーマル感が薄れてしまいます。

失敗しないためのアドバイス

結婚式の場では、襟や足袋は「白」を一択で選びましょう。帯や小物に金や銀を取り入れ、格調高い「礼装としての黒」を意識することが大切です。

訪問着は「淡い地色」がベストチョイス

【プロの視点】会場全体に華を添える「優しい色合い」が最も喜ばれます
ゲストとして参列する訪問着で、最も失敗がなく、周囲からも好感を持たれるのが「淡い中間色」です。
淡いピンク、水色、藤色、若草色(淡い緑)などは、どんな式場の雰囲気にも馴染みやすく、写真に写った際も花嫁を優しく引き立てる「最高の名脇役」となってくれます。

失敗しないためのアドバイス

あまりに濃すぎる色や、原色に近い派手な色は、主役より目立ってしまう可能性があるため避けるのが無難です。迷ったときは「肌馴染みの良い、明るいパステルカラー」を基準に選んでみてください。

結婚式の着物選び:よくある質問(Q&A)

Q. 手持ちの訪問着が「桜」の柄ですが、春の結婚式なら着ても大丈夫ですか?

A. はい、全く問題ありません。
桜は日本の国花であり、春の訪れを祝うおめでたい花です。避けるべきなのは「散り際を強調した写実的な柄」や「桜だけの寂しい印象の柄」です。春らしい華やかなコーディネートであれば、安心してお召しください。

Q. 親族として参列します。ベージュやアイボリーの着物は「白」に見えて失礼でしょうか?

A. 着物の場合は、真っ白でなければマナー違反にはなりませんが「写真映り」に配慮が必要です。
光の加減で白く飛びやすいため、帯や小物にハッキリとした色(金、銀、朱赤など)を取り入れ、全体がぼやけないように引き締めると、花嫁を引き立てる上品な装いになります。

Q. 黒地の振袖を「成人式」と同じコーディネートで着てもいいですか?

A. 結婚式では「フォーマル仕様」へのチェンジをおすすめします。
成人式で人気の色付き半襟や重厚な多色使いの小物は、結婚式では少しカジュアルに見える場合があります。襟元や足袋を「白」にするだけで、お祝いの席にふさわしい凛とした格調高い雰囲気になります。

Q. アンティーク着物やレトロな柄が好きです。結婚式でも着られますか?

A. 式場の雰囲気や、ご自身の立場によります。
格式高いホテルや専門式場では、古典的で格の高い柄(吉祥文様)が好まれます。レストランウェディングやカジュアルなパーティーであれば個性を活かしたレトロ柄も素敵ですが、迷った際は「少し控えめ」を意識するのが着物美人の心得です。

Q. 着たい着物があるのですが、シミがあるのを見つけてしまいました。どうすればいいですか?

A. まずは早めに専門店へご相談ください。
柄の位置によっては、帯や着付けで隠せる場合もありますが、結婚式は写真に残る機会が多いものです。当店(きものサロン創夢)では、式に間に合うかどうかの診断や、お急ぎの染み抜きも承っております。

おわりに

今回は、結婚式で避けたい着物の柄や色についてご紹介しました。

いろいろな決まりごとをお伝えしましたが、一番大切なのは「お祝いしたい」というあなたの真っ直ぐな気持ちです。着物のマナーや縁起は、その大切な気持ちを、お相手やご親族に誤解なく、より丁寧に伝えるための「共通言語」のようなもの。

難しく考えすぎず、主役である花嫁への「思いやり」をひとさじ添えるだけで、あなたの装いはぐっと素敵なものになります。

「手持ちの着物の柄が、今回の例に当てはまっていて不安…」「サイズが合わなくなっているけれど、どう直せばいい?」

そんなときは、どうぞお一人で悩まずに私たちにご相談ください。
長年の知識と技術で、あなたが自信を持って、笑顔で当日を迎えられるよう精一杯お手伝いさせていただきます。

大切な一日が、あなたにとっても、ご友人やご家族にとっても、素晴らしい思い出になりますように。

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