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30年前の着物でお宮参り!古い祝着を赤ちゃんに着せるための準備・手入れガイド

お宮参り

「実家に大切にしまってあった、30年前の私のお宮参り着。いつか自分の子どもにも…と思っていたけれど、いざ出してみると、今の時代に合うかしら?汚れは大丈夫かな?と不安になりますよね。

実は今、そんな『思い出の着物』を、新しい家族の門出に引き継ぐ方がとても増えています。伝統的な柄行は、時代が変わっても色あせることのない、ご家族の愛情そのものです。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。

このページでは、古いお着物を安心してお宮参りでデビューさせるためのチェックポイントや、長襦袢・家紋などの準備について、分かりやすくまとめました。大切な思い出を、最高の形でお子さまへ繋ぐお手伝いができれば幸いです。」

ステップ1:まずはタンスから出して「状態」をセルフチェック

御宮参り着物まずはタンスから出して「状態」をセルフチェック御宮参り着物まずはタンスから出して「状態」をセルフチェック
「いよいよお宮参り。実家のタンスに眠っていたお着物を使いたいけれど、このまま着せても大丈夫かな?」
そう思ったら、まずは一度、明るいお部屋でお着物を広げてみましょう。

30年、40年という長い月日を経たお着物は、見た目が綺麗でも少しだけお手入れが必要な場合があります。チェックすべき「3つのポイント」をまとめました。

シミ・カビ・変色はありませんか?

一番多いお悩みが、長年の保管によるシミや変色です。パッと見は綺麗でも、以下の場所を重点的にチェックしてみてください。

特にチェックすべきは「襟元(えりもと)」と「裏地」

お宮参りのお着物は、抱っこした時に赤ちゃんの顔に近い「襟元」が一番目立ちます。ここに黄色いシミや点々としたカビが出ていないか確認しましょう。また、裏地の白い生地は一番変色しやすいため、全体的に黄ばんでいないかチェックが必要です。

古いシミ(黄変)は専門店の「染み抜き」で綺麗になる

もしシミを見つけても、諦めないでください。時間が経って茶色くなったシミ(黄変)は、通常の丸洗いでは落ちませんが、職人の手による「染み抜き」や「漂白」で、驚くほど綺麗に蘇ることがあります。

セット内容は揃っていますか?

次に、当日慌てないように付属品が揃っているか確認しましょう。

「着物・長襦袢(ながじゅばん)・紐」の3点を確認

お宮参りの基本は、上に掛ける「着物(祝着)」とその下に着る「長襦袢」のセットです。着物の胸元に、飾り紐がしっかりついているかも見ておきましょう。
※もし長襦袢が見当たらなくても、今の時代に合わせた代用方法がありますので、安心してくださいね(詳細はステップ2で解説します)。

七五三の「肩上げ・腰上げ」がついたままではないですか?

ここが一番の見落としポイントです!実は、お宮参りのお着物を「三歳の七五三」で一度使っている場合、お子様のサイズに合わせて生地を縫い縮める「縫い上げ」がされていることがあります。

お宮参りで使うには、一度「紐解き」が必要です

お袖の長さが短く縫われていたり(肩上げ)、身丈が縫い上げられていたり(腰上げ)したままだと、お宮参りの際に赤ちゃんを包む「掛け着」として綺麗に広げることができません。

もし縫われていたら、糸を解いて元のゆったりとした形に戻してあげる必要があります。

プロからのワンポイント・アドバイス
お着物を広げた時に「なんとなく古い匂いがする」「生地がゴワゴワする」と感じたら、それは湿気や古いノリが原因かもしれません。
赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。目立つ汚れがなくても、一度プロの手でクリーニング(丸洗い)をして、清潔な状態にしてあげると、安心して当日を迎えられますよ。

ステップ2:よくある不安「柄が古い?」「長襦袢がない?」を解消

お宮参りの着物「各部名称と役割」お宮参りの着物「各部名称と役割」
お着物の状態を確認したあと、次に気になるのが「デザイン」や「足りないもの」のこと。「今の時代にこの柄はおかしい?」「セットの長襦袢がボロボロだったらどうしよう…」そんなママやパパの不安を、一つひとつ解きほぐしていきます。

「柄が古い」心配はいりません。伝統柄は永遠のスタンダード

「30年以上も前の着物だから、柄が古臭く見えないかな?」というご相談をよくいただきます。ですが、どうぞご安心ください。お宮参りの着物(祝着)において、伝統的な柄行は、時代を超えて愛される「永遠のスタンダード」です。

男の子の柄(鷹・兜など)に込められた「強く健やかな成長」への願い

鷹の鋭い爪は「幸運をしっかり掴んで離さない」ことを、兜(かぶと)は「大切な頭を守る=災厄から身を守る」ことを意味しています。これらは何百年も前から変わらない、親から子への普遍的な願い。古いどころか、物語を感じさせる格調高い装いになります。

女の子の柄(鞠・花車など)に込められた「華やかで幸せな人生」への願い

鞠(まり)は「丸々と健やかに育つように、円満な人生を歩めるように」、花車は「神様を招き、多くの幸せが訪れるように」という願いが込められています。昔のお着物は職人の手仕事が細やかなものも多く、現代のものにはない重厚な美しさが、お写真をより華やかに彩ってくれます。

長襦袢(ながじゅばん)がなくても、お宮参りはできます

「着物はあるけれど、セットの長襦袢がシミだらけ……」「どこを探しても見当たらない」というケースは意外と多いものです。結論からお伝えすると、必ずしも長襦袢が揃っていなくても大丈夫です。

夏場や暑い日は「長襦袢なし」の方が赤ちゃんに優しい

近年の日本の夏は非常に暑いため、あえて長襦袢を重ねないという選択肢もあります。赤ちゃんを抱っこするママやパパも大変ですし、何より赤ちゃんが熱中症になってしまっては大変です。無理に重ねず、涼しく過ごせる工夫をしてあげましょう。

「写真映え」のために長襦袢だけ新調・代用する方法

「やっぱりお袖からチラリと見える白い襦袢があったほうが、写真が綺麗に見える」という場合は、長襦袢だけを単品で購入することも可能です。

また、最近では「付け袖(白い布を袖口につけるだけ)」で長襦袢を着ているように見せる方法や、白いロンパースを肌着として着せることで代用される方もいらっしゃいます。

プロからのワンポイント・アドバイス
もし「柄が少し落ち着きすぎているかな?」と感じたら、お顔周りの小物を工夫してみましょう。
真っ白でレースのついた現代風の「よだれかけ(スタイ)」や「帽子」を新調するだけで、お顔周りがパッと明るくなり、昔のお着物も驚くほどモダンで新鮮な印象に生まれ変わりますよ。

ステップ3:今の家族に合わせて「整える」メンテナンス

状態を確認し、不安が解消されたら、最後はお着物を「今の家族」にぴったりの状態へ整えてあげましょう。「家紋はどうすればいい?」「七五三の時の糸はどう解く?」など、お宮参り当日を最高の笑顔で迎えるための最終仕上げです。

家紋の入れ替え:父方の紋へ、または女系の紋へ

男の子の祝着(掛着)には、背中や袖に「家紋」が入っているのが一般的です。昔のお着物を使う際、「入っている紋が今の家と違うけれど、そのまま着せてもいいの?」というご相談をよくいただきます。

紋が違っても大丈夫。専門技術で「入れ替え」が可能です

旦那様のお家の紋を入れたい、あるいは地域に合わせて紋を変えたいという場合、一度元の紋を消して新しい紋を入れ直す「家紋の入れ替え」ができます。
「紋が違うからこの着物は使えない」と諦める必要はありません。今の家族の証を刻むことで、お着物はさらに特別な一着になります。

※女の子の場合は、紋を入れずに華やかな柄を楽しむことも多いですが、地域によっては「女紋(おんなもん)」を入れる文化もありますので、ご親戚に確認しておくと安心です。

肩上げ・腰上げを解いて「お宮参り用」に戻す

肩上げ・腰上げを解いて「お宮参り用」に戻す肩上げ・腰上げを解いて「お宮参り用」に戻す
ステップ1でも触れた、七五三用の「縫い上げ(肩上げ・腰上げ)」。これがお着物に残っている場合は、解いて元のゆったりとした形に戻す必要があります。

自分で解く時の注意点と、残ってしまった「筋消し」のコツ

縫い糸を解く作業自体はご自宅でも可能ですが、注意したいのは「長年の折り目」です。30年以上も縫ったまま保管されていた場合、糸を解いても生地に「くっきりとした筋(折り目)」や「色の差」が残ってしまうことがあります。

ご自宅でアイロンを当てる際は、必ず当て布をして低温から慎重に行ってください。もし筋が消えない場合は、無理をせず専門店の「筋消し(すじけし)」にお任せいただくのが一番綺麗に仕上がります。

小物を新調して「現代らしさ」をプラスする

お着物本体は昔のものでも、顔周りにくる「小物」を新しくするだけで、全体の印象がパッと現代風に、そして明るく生まれ変わります。

よだれかけ(スタイ)や帽子を新しくするだけで、お顔周りが明るく

お宮参りの小物は「よだれかけ(スタイ)」、「帽子」、「お守り袋」、「扇子」などがセットになっています。これらを真っ白で清潔な新品に変えるだけで、お写真に映る赤ちゃんの表情がぐっと引き立ちます。

最近ではレースやフリルがあしらわれた華やかなデザインも人気です。代々伝わる重厚なお着物と、現代の可愛らしい小物の組み合わせは、今しかできない素敵なコーディネートになりますよ。

プロからのワンポイント・アドバイス
メンテナンスは、お参りの「1ヶ月前」には済ませておくのが理想的です。
家紋の入れ替えや頑固なシミ抜きには、職人の手仕事に2〜3週間ほどお時間をいただく場合があります。余裕を持って準備を始めることが、心穏やかにお参り当日を迎えるための一番のポイントです。

まとめ:思い出の着物は、ご家族から赤ちゃんへの最高のプレゼント

かつてご自身やご家族が袖を通した、思い出深いお祝い着。長い年月を経て、今度は新しい命を包み込む。それは、形あるものを受け継ぐ日本の素晴らしい文化であり、赤ちゃんへの「最初で最高のプレゼント」でもあります。

少しの手を入れ、整えてあげるだけで、30年前、40年前の輝きは驚くほど鮮やかに蘇ります。

「これって使える?」迷ったら着物診断士へご相談を

「古いから無理かな」「このシミは落ちないかも」と、お一人で悩んで諦めてしまう前に、ぜひ一度私たちに見せてください。着物の状態は一着一着異なりますが、専門の知識を持つ「着物診断士」が拝見すれば、最適なメンテナンス方法がきっと見つかります。

創夢が心を込めて、お宮参りの再デビューをサポートします

私たちは数多くの「思い出の再生」をお手伝いしてきました。シミ抜きから家紋の入れ替え、サイズ直しまで、大切な一着が最高のお披露目となるよう、心を込めてメンテナンスいたします。

「お父さん、お母さんが着たお着物なんだよ」
いつの日か、成長したお子さまにそう伝えてあげられる喜びを。
お宮参りという一生に一度の大切な日が、ご家族にとって笑顔あふれる素晴らしい一日になりますよう、全力でサポートさせていただきます。

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