お宮参りの着物はレンタル?購入?どちらが良い?
赤ちゃんの無事の誕生を神様に感謝し、これからの健やかな成長を祈る行事である「お宮参り」。赤ちゃんにとって初めての正式な儀式でもありますから、お宮参りの着物も大切に選びたいものです。
でも「お宮参りの着物、レンタルにしようか購入しようか」と悩んでいるご家族も多いのではないでしょうか?
お宮参りの着物はレンタル?良い点と悪い点
まずはお宮参り着物をレンタルする場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
レンタルのお宮参り着物の良い点
お宮参りの費用を抑えられる
レンタル着物の良い点は、なんと言っても割安というところ。最近では撮影スタジオがレンタル着物を提供し、撮影とレンタルをセットにすることで大幅割引するプランを設ける店舗も増えました。
お手入れや保管の手間が無し!
お宮参りの着物をレンタルすれば、利用後には返却すれば良いだけ。お手入れや保管の手間を考える必要はありません。
レンタル着物の場合、通常の範囲内の汚れのクリーニングはレンタル料金に含まれているところが多いもの。クリーニング代がかからないので、さらに費用を抑えることができます。
「いまだけ」の色柄を取り入れられる
お宮参りの着物をレンタルする場合なら「大きくなってから」のこと等を考えず、「いまだけ」の色柄を思い切って選ぶこともできます。
いかにも赤ちゃん向けらしい小さな柄行の初着等を選べるのも魅力です。
レンタルのお宮参り着物の良くない点
選択肢が狭い・柄かぶりするリスクあり
例えばレンタル着物をスタジオ提供の中で選ぶ場合等だと、選択肢は狭くなってしまいがち。レンタル着物の場合だと「今年の人気の色味」等を取り入れるところは少ないので、その点も了承しておく必要があります。
また最近多いのが、近隣のご親戚やご友人と同じレンタル着物屋や撮影スタジを使ったところ、貸し衣装までまったく同じになってしまった……というもの。お宮参りの着物で撮影した写真は年賀状等に使う方も多いので「同じ着物だった…」という「色かぶり・柄かぶり」に気づくケースが増えているようです。
スケジュール変更がしにくい
レンタル着物は返却までの期間が厳密に定められています。人気のレンタル業者や着物の場合だと、レンタルをキャンセルしてまた次に借りようとすると予約でいっぱい…ということも。お宮参りのスケジュールがなかなか厳密に立てられない人には不向きです。
また期日を越えてのレンタルには罰金としてかなりの超過代金がかけられていることもあるので注意しましょう。
家紋が「仮紋」や「貼付紋」になる
一般的に男の子が着る初着(祝着・掛着)には家紋を入れることが多いです。しかしレンタルの場合だと、家紋は共通紋である「五三の桐」等になることがほとんど。
「ご家庭の家紋が選べる」というレンタル着物もありますが、基本的にワッペン等での「貼り付け紋」です。共通紋の「五三の桐」や貼付紋は、いわばレンタカーの「わ」ナンバーと同じです。着物に慣れている人が見ればすぐに「貸し衣装だ」とわかります。
汚し方によっては実費がかかる
基本のクリーニング代がレンタル料金に含まれていることが多い「宮参りのレンタル着物」ですが、規定を外れた汚し方だとクリーニング代を実費で取られたり、着物が買取になることがあります。
【規定範囲外の汚損の例】
- おしっこで汚した
- 雨や雪でビショビショに濡らした
- ワインのシミを作った 等
「借り物だから」と気軽に扱わず、なるべく汚さないように注意することが大切です。
【こんなご家庭にはレンタルがオススメ】
- コストを抑えたい
- 着物の色柄にそこまでこだわらない
- 貸衣装に抵抗がない
- 品質は「そこそこ」でOK
- 着物のお手入れや保管が不安
- 赤ちゃんやお母さんの体調が安定している
お宮参りの着物は購入?良い点と悪い点
次にお宮参り着物を購入する場合のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
購入するお宮参り着物の良い点
納得の色柄を選べる
お宮参り着物を新しく買う場合の良い点は、なんといっても選択肢が幅広いということです。作家物や一点物、人気のブランドもの、伝統工芸品等、こだわりの祝着・初着を選ぶことができます。
お食い初めや七五三でも使える
実はお宮参りの赤ちゃんの着物は「その時だけしか使えない」というものではありません。百日祝い、いわゆる「お食い初め」の時にも初着をかけて、祝いの衣装として使うことができます。
さらに七五三の三歳のお祝いの時にも、初着を少しお直しすれば「一ツ身」として着ることができます!七五三までの費用を考えれば、レンタルより割安となる方も居ることでしょう。
自家の家紋を入れられる
お宮参りの着物を購入する場合、男児向けの初着にはお家の家紋を入れることができます。染め抜き紋や刺繍での縫い取り紋等、地域に合わせた紋の入れ方も自由です。
いつでも着ることができる
お宮参り着物を買った場合であれば、赤ちゃんに着せたい時にいつでも使うことができます。お宮参りを万一スケジュール変更したい時でも、着物を買ってある場合なら安心ですね。
また上で案内した百日祝い等に加え、赤ちゃんが初めて迎えるお正月や、ご家族の誕生日等の祝着として使うことも可能。「何度も使える赤ちゃんのフォーマル服」といった扱いになってくれるわけです。
新規購入するお宮参り着物の良くない点
お手入れの手間がかかる
着物は一度着るごとにクリーニングするものではありません。とは言え、着物が汚れた場合には染み抜き等のお手入れも必要になります。また保管中にはカビや虫害等の発生を防ぐため、年に2回程度は虫干し(陰干し)をして湿気を飛ばすことも大切です。
保管するための場所を取る
赤ちゃんの初着は大人の着物に比べれば小さなものですが、ともあれ着物の保管のための場所を取るのは事実。着物は基本的に平らに保管するものなので、慣れない人だと「どこに保管すればいいのか」と迷うこともあるようです。
費用が高くなりやすい
必ずしも「買った方が高い」というわけではありませんが、レンタルよりは購入の方がお宮参り着物の費用はかかりやすいです。一般的な販売品の相場は3万円~5万円前後。高いものだと10万円以上する着物もあります。
ただ最近では値段の幅が本当に広くなっており、ネット購入だと1~3万円程度で気軽に購入できる初着も登場するようになりました。これだとレンタルとそこまで費用に大きな違いはありませんね。
【こんなご家庭には購入がオススメ】
- 着物の色柄にこだわりたい
- 良い品質の着物にこだわりたい
- モノを大切にしたい、受け継がせたい
- 着物のお手入れや保管に挑戦してみたい
- 赤ちゃんやお母さんの体調がやや不安定
- ご家族が忙しくスケジュール変更が多い
おわりに
お宮参りの着物をレンタルするか購入するかについては、ネット上でも意見が分かれるところです。実際、ご家庭によって費用や保管の手間等についての考え方も違いますから、一概に「レンタルと購入のどちらが良いか」と言い切ることはできません。
どちらにも良い点・悪い点があることを知って、「我が家にはどちらが合っているのか」を選んでいただくのがベストと言えるでしょう。お子様にピッタリ合う着物を選んで、晴れやかなお宮参りをお迎えくださいね。