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カビの対処方法

そのカビ対策、逆効果です!着物を台無しにする「絶対NGな保管法」6選

着物カビ

「久しぶりに着物を出したら、なんだかカビ臭い……」「白い粉のようなものがついている……」そんな経験はありませんか?
大切な着物を守るために、日頃からお手入れに気を配っている方こそ、実は「良かれと思ってやっている習慣」がカビを増殖させているケースが少なくありません。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。

着物クリーニング専門店のプロとして、これまで数多くのカビ被害を見てきた私たちが、「絶対にやってはいけない間違った防止法」を解説します。手遅れになって高額な修復費用がかかる前に、まずはあなたの保管状況をチェックしてみましょう。

「古い・シミのあるたとう紙」を使い続ける(保管の罠)

あなたの着物を包んでいるタトウ紙(文庫紙)、いつのものですか?何年も同じタトウ紙を使い続けてはいないでしょうか。人によっては、何十年も使ってボロボロになったタトウ紙を大切にしているようですが…実はこれ、カビ対策としては最悪なんです。

タトウ紙は外気からの湿気を吸収して着物が湿気を含むのを防ぎ、カビ菌を発生させない役割も果たしています。ところがタトウ紙が古くなってくると除湿効果は落ちますし、一度カビ菌に触れたタトウ紙は、カビ菌に汚染されている恐れもあります。

  • 2~3年以上タトウ紙を交換していない
  • 以前に着物にカビが生えたがタトウ紙はそのまま
  • タトウ紙にシミ・汚れがある
  • タトウ紙が変色している

たとう紙は「消耗品」です。1枚数百円のたとう紙を惜しんで、数万円のシミ抜き代がかかっては本末転倒。定期的に新しい「呼吸する和紙」に取り替えて、着物に新鮮な空気を纏わせてあげましょう。

新しいタトウ紙を手に入れよう

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タトウ紙は呉服関連の店舗の他、近年ではAmazon等のネットショップでも取り扱っています。当店『きものサロン創夢』でも販売しているので、「近くに取り扱っているお店がない」という時にはお気軽にご相談ください。

シワ取りに「スチームアイロン」を使う(湿気の罠)

「着物のカビ菌には熱が良いのでは?」ということでスチームアイロンを対策に使う人もいるのですが、残念ながらこれも着物のカビ対策としては正しくありません。

着物に生えるカビ菌は、ご家庭のアイロンの温度では死滅しません。さらにスチームアイロンの蒸気で水分が衣類に残ると、カビ菌の働きを活発にさせてしまうこともあります。

カビが生えた着物にスチームアイロンは厳禁!また、普段のお手入れでもスチームアイロン使用時には注意が必要です。

アイロンお手入れの後は陰干しを

シワ取り等のためにスチームアイロンをやむなく使う場合には、アイロン後に最低でも3日はしっかりと陰干しをするようにしましょう。スチームアイロン後の陰干しが不足しているとカビ被害は拡大します。

タンスに「隙間なく」着物を詰め込む(通気の罠)

タンスに「隙間なく」着物を詰め込むあなたのタンスやクローゼット、着物や衣類はどれくらい入っていますか?「もう入り切らないくらいにパンパン」「9割以上、びっしりと荷物が入っています」という人、注意が必要です!

着物のカビ予防のためには、定期的にタンスやクローゼットの扉を開けて、空気を入れ替えることが推奨されています。しかしタンスやクローゼットの中身がパンパンだと、扉を開けた程度では空気が入れ替えられません。

着物にはどんどん湿気が溜まっていき、カビの温床となっていきます。タンス・クローゼットが混み合っている人ほど、カビ発生率が高いんです。

引き出しの目安は「7割」まで

タンスや収納箱の引出しに入れる着物の量は「引き出しの70%程度まで」を目安にしましょう。この量までにしておけば通気性が良く、カビの発生を防ぎやすくなります。

白カビを「乾いた布で払う」だけで済ませる(応急処置の罠)

白カビを「乾いた布で払う」だけで済ませる着物にフワフワとした白カビが生えている…このような症状が見られた時、「とりあえず応急処置をしておこう」と考える人は多いはず。サッと表面を払って目に見えるカビを取り除き、あとは陰干し等をしてカビ臭い匂いを飛ばせば、とりあえずの着用に間に合わせることはできます。

たしかにここまでの応急処置が間違っているわけではありません。しかし問題なのは、この応急処置だけで話を終わらせてしまうことです。「見えなくなったから大丈夫かな?」と、そのまま着物をタンスやクローゼットに戻していませんか?

白カビの表面のフワフワは、植物で言えば「茎」や「葉・花」の部分です。植物が土の中にびっしりと根を張っているように、カビ菌は衣類の奥に長い根をはやしています。

カビは「黄変」に進化する

一度カビが生えた衣類には、この「根」が残っている状態です。専門店でのカビ取りを行わずにそのまま放置をしていれば、カビが少しずつ酸化して「黄ばみ」になり、さらに時間が経つと濃いオレンジ、茶色のシミ(黄変)になってしまいます。

とりあえず「丸洗い(ドライ)」に出す(洗浄の罠)

とりあえず「丸洗い(ドライ)」に出すカビ臭い着物、白カビらしきポツポツが生えている着物…このような「カビの初期症状」が見られる着物をクリーニングに出す時、どんなクリーニングメニューを選んでいますか?

着物のクリーニングでもっとも一般的なのは「丸洗い(ドライクリーニング)」ですね。洋服メインのクリーニング店だと、着物は丸洗いしかやらない、というところもたくさんあります。

ところが「着物丸洗い」では、石油溶剤を使って機械で洗うだけなので、着物のカビ菌は落ちないんです!いくら定期的にクリーニングをしていてもカビ菌の根は残っているので、温かい場所等に保管をしていればまたカビが生えてきてしまいます。

カビが気になる着物は「カビ取り」を

「カビかも?」と気になる着物は、できるだけ早く「カビ取りクリーニング」をしましょう。カビ取りクリーニングでは職人が手作業でカビを除去し、さらにオゾン洗浄でカビ菌を根絶させます。

早めに対処をしておけば、黄変(おうへん)等の深刻な症状になる前にカビを抑えることが可能です。「カビ臭い」という匂いがしたらすでに初期症状は始まっていますので、早めに専門店に相談をしましょう。

当店『きものサロン創夢』でもカビ取りクリーニングを受け付けていますので、お近くに着物カビ取りクリーニングサービスが無い場合にはお気軽にご相談ください。

クリーニング後の「ビニール袋」のまま保管(密閉の罠)

着物クリーニングでは、和紙などで作られたタトウ紙(文庫紙)に包んでお客様に着物をお返しするのが一般的です。しかし料金が激安の着物クリーニング店等の場合、タトウ紙ではなく洋服クリーニングのようなビニール袋に包んだ状態で、お客様に着物をお返しするところも見られます。

このビニール袋、そのままにして着物を保管してはいけません。ビニール袋の通気性はほぼ無いと言っても良いです。タンスやクローゼットの中で着物が蒸れてしまうので、一気にカビ菌が繁殖する恐れがあります。

特に最悪なのは、「カビ臭い着物を丸洗いに出して、クリーニングのビニール袋でそのまま保管」というパターンですね。これでは丸洗い料金を払って、カビを増やしているようなものです。

着物はタトウ紙で保管を

新しいタトウ紙万一ビニール袋で着物が戻ってきた場合には、すぐに袋を外してタトウ紙に包み直しましょう。

着物をプロレベルで保管

おわりに

やってはいけない着物のカビの防止法、思い当たる点はあったでしょうか?カビ菌はとにかく「生やさない」ということが大切です。「湿度」「温度」に気をつけながら、適切に着物を管理していきましょう。

また万一カビが生えてしまった時には、正しくカビのお手入れができる専門店にできるだけ早く相談することが大切です。
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