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お宮参りの服装は?赤ちゃん・父・母・祖父母の服装を徹底解説

お宮参りの服装

赤ちゃんの無事の誕生を氏神様に報告し、これからの健やかな成長を願う行事である「お宮参り」。赤ちゃんが生まれたら、早めにお宮参りの準備をしておきたいですね。さてこの「お宮参り」、赤ちゃんやご家族の服装のマナーがどのようなものかはご存知ですか?

「お宮参りにカジュアルな服装はダメ」「お宮参りはフォーマルな服装」となんとなくはわかっていても、実際にどのような服装が理想的なのかはピンと来ない…という人も多いはず。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 京都きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここではお宮参りのお祝いの服装について、赤ちゃんご本人と父母、祖父母の服装例を解説していきます。

お宮参りの赤ちゃんの服装

まずはお宮参りの主役である赤ちゃんの服装から見ていきましょう。

基本は「白羽二重」+「祝着/初着」

お宮参りの赤ちゃんの服装は、もっとも格の高い正装である「白羽二重(しろはぶたえ)」に「祝着・初着(うぶぎ)・掛着(かけぎ)」と呼ばれる着物を重ねたものです。これがお宮参りの服装の基本。祝着・初着は赤ちゃん自身が羽織るというより、お母様が体にかけて、赤ちゃんを包むようにして身にまといます。

男の子向けの祝着・初着

男の向けの祝着・初着は、龍や虎等の勇ましい動物や、軍配や宝船等の勇壮な古典柄を入れたものが定番人気です。色合いは古典的なものですと黒・濃紺等の深い色合いが多いですが、近年ではやや柔らかな色合い(ベージュ・淡いグレー等)をお選びになるご家庭も増えています。

女の子向けの祝着・初着

女の子向けの祝着・初着は、伝統的な花や蝶等の柄が入った友禅模様、手毬や牛車等の模様が入った古典的な吉祥柄等が定番人気となっています。赤・濃い桃色・黄金色等の色合いが多いですが、近年では白色やクリーム色等を選ぶご家庭も増えています。

「ベビードレス」+「祝着/初着」もOK

ふだん和装をしない赤ちゃんには白羽二重は動きにくいし暑い…そのような心配がある方も多いため、近年では洋装のベビードレスに初着(掛着)を組み合わせるスタイルも増えています。

きちんとしたベビードレスであればこれも正装となるため、お宮参りの服装としてはまったく問題ありません。

お宮参りの母親の服装

かつての「お宮参り」は今でいうと「結婚式」くらいの格の高い行事として扱われてきました。しかし近年のお宮参りはより「家族のイベント」という扱いになっています。そのため母親の服装もやや控えめな略礼装、簡略的なフォーマルという扱いが一般的になってきました。

和装なら「訪問着」がベスト

  • 訪問着
  • 付下げ 等

和装の中でも気軽なフォーマル服である「訪問着」やさらに少しカジュアルよりとなる「付下げ」は、お宮参りのお母様の服装としてピッタリです。

一枚訪問着をお持ちということであれば、それでも十分でしょう。ただし帯合わせは袋帯や綴れ名古屋帯等、フォーマル向けのものを。また長襦袢や半襟、帯揚げ等は薄く淡い色味のものを使ってください。濃い色の長襦袢や柄半襟を合わせるとカジュアルな街着の装いになってしまいます。また足袋は必ず白色を。これもフォーマルの証です。

洋装は「フォーマル用ワンピース」か「ツーピース」

洋装の場合には、簡易フォーマル用(セミフォーマル)のワンピースかツーピースが最適。ただしブラックフォーマルは避けてください。紺色、グレー、ベージュ等の落ち着いた色味のものが人気です。淡い色味のワンピース等だと優しい雰囲気になります。

アクセサリーはあまりキラキラと華やかな過ぎないものを。主役が赤ちゃんなので、光り物をつけすぎると「脇役」であるお母様の方が目立ってしまいやすいからです。パールなど、控えめながらフォーマルな雰囲気をアップさせてくれるものがおすすめです。

お宮参りの祖母の服装

かつてはお宮参りに着る祖母の服装というと、結婚式と同じように正礼装である「五つ紋付きの黒留袖」を着るのが定番でした。しかし上の「母親の服装」でも解説したように、近年では「家族のイベント」としてふさわしい、より落ち着いた略正装(セミフォーマル)が良しとされるようになっています。

和装なら「色無地」や「訪問着」で

  • 色無地(一つ紋)
  • 訪問着
  • 江戸小紋 等

お宮参りに祖母が着る着物としては、背中に一つ紋が入った色無地がおすすめ。一つ紋は紋なしだとカジュアル寄りの着物ですが、紋入りとなることでフォーマル服としてお召しになることもでき、色合いの柔らかさからも人気があります。

また遠目から観ると色無地のように見える江戸小紋等の人気です。色味が控えめなものであれば、訪問着でも良いでしょう。

母親の服装の場合と同じで、帯や長襦袢にはフォーマル向けものを。長襦袢は白か淡色です。また帯揚げ・帯締めは両方を白にすると「純フォーマル」になりますから、どちらからは薄い色ものにした方が良いですよ。

お宮参りの父親・祖父の服装

お宮参りのお父様・お祖父様の服装ですが、基本的に「配偶者のフォーマル服の格に合わせる」ということを重視ししましょう。例えばですが、お祖母様やお母様が正礼装の黒紋付をお召しなのに、お祖父様・お父様が略礼装のビジネススーツとなると格がまったく合わず、ちぐはぐな様子になってしまいます。

和装の場合は「羽織」をプラス

男性の和装の場合には、色紋付の着物に羽織を重ねるスタイルでフォーマルなスタイルを作ります。一つ紋付きの羽織だと「略礼装」、三つ紋付きだともうひとつ上の格の「準礼装」となりますので、配偶者の着る着物に合わせて選んでいくと良いでしょう。

なお足袋は必ず「白足袋」を!男性の和装で色足袋を履くのは完全にカジュアルなコーディネートですのでご注意ください。

洋装の場合はブラックスーツかビジネススーツを

洋装の場合だと、準礼装であるブラックスーツ、または略礼装であるビジネススーツということになります。奥様が和装される場合には、ブラックスーツをお召しになった方が格を揃えやすいでしょう。

シャツはフォーマル色である白が基本ですが、薄く上品な色合いならグレー等でもOK。ただし柄物はカジュアルなコーディネートになるので必ず無地にしてください。ネクタイは白・シルバー等が基本。多少の柄入でもOKですが、あまり目立ちすぎない控えめなものを選びましょう。

お宮参りの服装は地域差も大きい!

「お宮参り」はとても昔からある行事で、古くは鎌倉時代頃には「近隣の氏神様(産土神様)に詣でる」という祭事があったとされています。それくらい昔からあるということは、その分、「地域による行事の扱いの差」もとても大きいのです。

お盆やお正月の祝い方って、地域によって違いますよね。お雑煮に煮た丸餅を入れる地域もあれば、焼いた角餅を入れる地域もあります。「どちらが正解」ではなくて「各地域で違う」ということです。

これと同じことが「お宮参り」にもあります。現在でも「お宮参りでは家族全員が黒紋付を着る」という地域もありますし、「父・祖父が正礼装をして、母・祖母は略礼装をする」といった地域も見られるようです。

お宮参りの服装について、全国統一のマナーやルールがあるわけではありません。ご家族での行事ですから、家族の皆様が納得できるようによく相談されることをおすすめします。

おわりに

お宮参りの赤ちゃん・ママ・パパ・祖父母の服装についてできるだけわかりやすく説明してみましたが、情報はお役に立ちそうでしょうか?お宮参りに行く時期は、概ね生後1ヶ月~3ヶ月位までが目安とされています。赤ちゃんが無事に生まれたら、祝着等の用意は早めに進めておきたいですね。

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