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七五三は何歳でやる?時期はいつ?お祝い事の正しい意味を知りましょう

七五三は何歳でやる?

小さなお子さん達の成長を祝い、これからのさらなる成長を祈る行事である「七五三」。伝統的な行事のひとつですが、近年では「着物ブーム」や「写真撮影ブーム」の再燃によって、七五三を積極的に行う若いご夫婦も増えているようです。

ところで七五三って何歳でやるかご存知ですか?そして七五三は何月にやるのが正解なんでしょう?

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 京都きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここでは知っているようで意外と知らない「七五三」について、初めての人にもわかりやすく解説していきます。

七五三は7歳・5歳・3歳でやるとは限らない?

七五三(しちごさん)はその名前の通り、神様に「無事に三歳(五歳、七歳)になりました」と顔見世をして報告し、今後のさらなる健やかな成長をお祈りする行事です。

必ずしも絶対とは限りませんが、お宮参りの時にご挨拶をした氏神様や、縁のあるお寺にお詣りをするのが理想的とされています。「神様仏様のおかげで元気に育ちました、これからもどうかよろしく…」と祖父母や両親がお願いをするイベントというわけですね。

さてこの「七五三」という行事の意味合いを聞くと、「七五三は3歳と5歳と7歳にやるものなんだ」と思う方も多いことでしょう。ところが実際には、そういうわけでもないんです。

満年齢で七五三を行うケース

「満年齢」とは、生まれた時が0歳で、お誕生日が来るたびに「満1歳」「満2歳」と年を数えていく方法のこと。現在の一般的な年齢の数え方ですね。戦後はこの「年の数え方」が定着したため、東京等の大都市圏等では「満年齢」で七五三を行う人が多いです。

男の子の七五三

  • 満3歳
  • 満5歳

上記の2回

女の子の七五三

  • 満3歳
  • 満7歳

上記の2回

数え歳で七五三を行うケース

「数え歳」とは、1950年以前に日本で使われてきた年の数え方です。昔は「0歳」という概念は無く、生まれた途端に「1歳」でした。さらに「誕生日に年が上る」のではなく、「新年(お正月)に皆が一斉に一歳ずつ年をとる」という考え方だったのです。今とはまったく違いますね。

七五三は伝統的な行事なので、現在でもこの「数え歳」で年を数え、その年令で七五三を行うという土地もたくさんあります。

男の子の七五三

  • 数え歳で三歳
  • 数え歳で五歳

女の子の七五三

  • 数え歳で三歳
  • 数え歳で七歳

【数え歳の数え方】
2019年11月生まれのお子様:生まれた時(2019年)に1歳 → 翌年の2020年元旦で2歳 → 2021年いっぱいは数え歳3歳(2021年秋の七五三だと満年齢で1歳11ヶ月~満2歳頃)

2020年1月生まれのお子様:生まれたとき(2020年)に1歳 → 翌年の2021年元旦で数え歳2歳 → 2022年いっぱいは数え歳3歳(2022年秋で満年齢2歳9ヶ月~10ヶ月頃)

数え歳計算の場合、同じ学年でたった2ヶ月違うだけでも、七五三をやる年齢が一年ずれてしまうというわけです。

数え歳と満年齢の両方でお祝いをするケース

やや珍しい方ですが、日本の中では「数え歳」と「満年齢」の両方で七五三をお祝いする風習がある地域も一部にあります。また例えば「お父様の地域では数え歳、お母様の地域が満年齢で七五三をする風習がある」という場合、それぞれの地元で一年ずつ七五三をなさったという方も少なくないようです。

七五三は昔から土地に根付き家族単位で行う風習であった分だけ、「地域ごと」「家庭ごと」で考え方が違ってきます。そのどれもが正解であり、どちらかが間違っているというわけではありません。ご家族・ご親族の皆さまが納得できる結果であれば、どれも正解であると言えるでしょう。

七五三をやるのは時期はいつ?11月じゃなくていい?

七五三のお参りをするのは、現在では11月15日が一般的であるとされています。この由来には諸説あり、どれもが「ほほう…」と思わせるところがあります。

1)お日柄の良さから
旧暦十五日が二十八宿(にじゅうはっしゅく、古代中国の星座占いのようなもの)で良い日とされており、幸先の良い日取りとされていたため。

2)将軍家説
江戸時代、五代将軍徳川綱吉公が息子の徳松の袴着の儀(はかまぎ・の・ぎ)を旧暦11月15日に行ったところ、体の弱かった息子がすくすくと育った…という謂れがあり、「上様に倣った日取りにする」と庶民の間でも七五三詣がブームになった。

3)農閑期説
旧暦十一月は稲の刈り取り等が終盤を迎えて落ち着く「農閑期のさしかかり」であり、農民にとってもお祝いをしやすい季節。さらに十五日は満月であり、子どもの健やかな成長を祝う日にちょうど良いとされた。

例えば江戸でしたら「五代将軍のマネをする」という風習はいかにもありそうですし、農家であれば農閑期にイベントをしたいというのは当然のこととも言えます。これも満年齢・数え歳の話と同じで、どれが正解…というものではありません。

11月15日前後の1~2ヶ月が目安

さて11月15日が基本とされる七五三ですが、必ずしも「11月15日当日にお祝いをしなくてはならない!」というわけではありません。七五三はあくまでも、家族と神様の間で執り行うイベントです。一斉に同日に皆でお参りをすることより、家族が参加できることが優先されてきました。

例えばお正月の初詣(7日の松の開けまでにはお詣りすることとされている)等に比べると、ずっと合理的に考えられているというわけですね。

現在では七五三は、11月15日頃を起点として「2ヶ月程度前から、1ヶ月程度後まで」に行うのが主流とされています。大体10月頭頃から、12月上旬頃までを目安に執り行うご家族が多いようです。

「着物の暑さ」にも配慮を

上記のとおり、七五三のお参りの時期には特に明確な決まりはありません。混んでいる11月15日前後を避け、1ヶ月~2ヶ月程度お参りを前倒しするご家族も居ます。

ただ気をつけておきたいのが、お子様やご家族の体調です。例えば「空いているから」と9月後半に七五三詣での予約を取ったとしましょう。東京の場合、9月下旬でも最高気温が30度を越える「真夏日」がたくさんあります。

通常のイベントならば暑くても平気かもしれません。しかし七五三は、秋冬向けの着物を身につける日です。着物に慣れないお子様はもちろん、お母様・お祖母様・お父様が着物の暑さで参ってしまい、途中で具合が悪くなる…残暑きびしい時期の七五三には、このようなリスクもあります。

地域性もあるので注意

七五三は上記でも解説したとおり、伝統的な行事である分、各地域での差が大きな行事でもあります。カンタンに言うと「土地や地域でマナーやルールが違う」ということです。

一部地域においては七五三を執り行う時期や日取りについて厳格に定められていたり、「11月の友引に行うことを良しとする」という地域もあります。

これもまた「どれが正解でどれが間違っているとは言えない」という地域差があるわけです。七五三にはお子様のお父様・お母様はもちろん、それぞれのお祖父様・お祖母様が参加されることが一般的とされています。

「自分が体験した・見てきた七五三」というルールだけにとらわれず、両方のご家庭の地域の違い等を柔軟に取り入れ、皆様が笑顔で七五三をお迎えになれることを大切にしましょう。

おわりに

七五三は何歳でやるのか、時期はいつやるのか…七五三についての基本的な情報は、お役に立ちそうでしょうか。着物ブーム・写真撮影ブームが盛んとなった現在では、七五三を執り行う一年ほど前から七五三着物のご用意をされるご家庭も増えています。

「数え歳で七五三をする?満年齢でやる?」まずはそんなところから、七五三についての相談を早めにご家族同士で行っておくようにしましょうね。

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