七五三に千歳飴を持つ理由とは?よくある質問Q&A
お子様たちのすこやかな成長を祝い、今後のさらなる展望を祈るイベントである「七五三」。そして七五三といえば千歳飴を欠かすことができませんね。七五三の着物姿で千歳飴を持った姿の記念写真、どなたのアルバムにもあるのではないでしょうか。
でもこの千歳飴、なぜ七五三に持つのかその理由を知っていますか?
なぜ七五三には千歳飴を持つ?理由は?
「粘ったものを固めた飴」を「長くのばしたもの」であることから、末永く長寿と健康が続くことを祈願しています。
千年=「長く続くこと」
日本語では昔から、長く続くことを「千年」「万年」などといった表現に置き換えます。実際にかっきり1000年というわけではないのですが、「千年くらいも長く」という家族達の強い願いを表しているのです。千歳=千歳、千年も続くほど、長寿繁栄が長持ちしますようにという思いが込められています。
形状も「長さ」を祈願
七五三の千歳飴はグッと長ーい棒のような形が特徴。これもやはり「長く続くこと」を願った形です。すぐに舐めきって終わるのではなく、永遠にでもなめていられそうな大きくて長い形と、その豊かさ。千歳飴は「繁栄」の印でもありました。
紅白で「おめでたさ」を
地域にもよりますが、千歳飴は紅白で色分けされていることが多いです。これも紅白という日本で古来より「祝祭」をあらわす色合いにすることで、おめでたさ、お祝い感をアップさせています。
千歳飴の発祥や由来はどこなのですか?
江戸発祥説、大阪発祥説など諸説あります。おおまかには江戸時代に庶民にも「縁起物」として人気となったと考えられます。
大阪「せんざいあめ」説
まず一つ目の説は、17世紀のはじめ頃、大阪の商品であった平野甚左衛門という承認が「千歳飴(せんざいあめ)」という長い飴を作ったというもの。これを江戸は浅草で売り出したところ、「長寿になる」と人気となったと言われています。
浅草「せんねんあめ」説
もうひとつは17世紀終わり~18世紀の始め頃、こちらは浅草境内で「千年」という飴が人気となったという説です。こちらは長さは不明ですが棒の形をしており、赤白に色分けをされていました。もしかしたら「せんざいあめ」が100年あまりの時を経て、再ブームになったのかもしれませんね。
江戸神田「天野屋」説
19世紀の中頃、江戸・神田明神という大きな神社の参道にある「天野屋」というお店が千歳飴を売りに出したところ、人気となったという記録も遺されています。
江戸の浅草や神田は、いずれも多くの町人や商人たちが浅草寺・神田明神等にお参りに行く場所でした。由緒正しいお寺のお参りで購入した「縁起物」…そんな幸先の良さが、七五三のおめでたいイメージと結びついたのかもしれませんね。
千歳飴は貰うもの?買うものですか?
「千歳飴は神社で貰った!」「そんなことはない、神社で買った」「スーパでは売ってないの?」等、人によって千歳飴の入手方法の記憶はまちまちです。さて千歳飴ってどうやって入手するんでしょう?
神社で祈祷する場合は千歳飴を「授与」
「神社で千歳飴を貰った記憶がある!」という人も居るかもしれませんね。ただ、これは無料で配布をしているわけではありません。神社での七五三の祈祷(きとう)を依頼した場合、終了後に千歳飴が授与されるのです。
七五三の祈祷には初穂料という料金がかかります。(初穂料がいくらかかるのかは神社によって異なります。)千歳飴は「縁起物の特典」といったところですね。神社での祈祷後に授与される千歳飴には、長寿繁栄等の祝詞があげられた「祈祷済」のもの。ありがたさも一層高いのが魅力です。
神社で「祈祷した千歳飴」を買う
最近では神社や寺社での七五三祈祷を依頼せず、お詣りするだけで済ませるご家庭も増えました。この場合、千歳飴はどうしたらいいのか?というと、「神社で売っている」ということもあります。
神社の中には、お詣りだけで済ませるご家庭のために、売店等で千歳飴を販売しているところも多いのです。神社販売の千歳飴は、その多くが祈祷済のものというのも魅力ですね。
ただし千歳飴の販売を行っているかどうかは、その神社によって違います。また小さい神社ですと千歳飴の取扱量が少なかったり、取り扱い時期が短いことも。お詣り予定の神社で購入ができるかどうか、事前に確認しておくと安心です。
神社の近隣の店で千歳飴を買う
神社やお寺によっては、神社内では千歳飴を販売していないけれど、境内のそばの店舗で取り扱いしているというところもあります。
お店の種類は様々です。
- 花屋
- 菓子店
- お土産屋
- 神具店・仏具店 等
このような販売方法だと、神社やお寺への問い合わせでは詳細が確認できないことも。地元の方に確認を取った方が良さそうです。
スーパー・百貨店の取り扱いは要確認
千歳飴は神社・寺社等やその近隣以外で、スーパーマーケットや百貨店等でも取り扱っていることがあります。また「不二家」等のお菓子メーカーでは、寺社のオリジナル千歳飴を販売します。ただし、取り扱いについてはかなりまちまちです。
クリスマスケーキ等のように「その時期にはどの店舗でも必ず販売している」というものではありません。季節性の高いものなので、販売時期も短めです。千歳飴の取り扱い、販売時期についてはよく確認をしましょう。
千歳飴はネットで買えますか?
はい、最近ではインターネットでも千歳飴を販売する店舗が増えました。気軽に購入ができたり、ポイントが貯められるのは助かりますね。ただインターネット販売の場合、次のような点には十分にご注意ください。
手提げ袋は付いていますか?
七五三の写真撮影のために千歳飴を購入する場合、飴の「手提げ袋」が必須です。ネット販売で激安系の場合ですと、飴の袋のみの販売で、手提げ袋は別料金……ということもあります。よく確認をしておきましょう。
サイズはしっかり確認を!
ネット販売の場合、飴のサイズと手提げ袋のサイズはよくご確認ください。千歳飴には「絶対にこのサイズ」といった規定はありません。中にはとても細く小さいタイプの千歳飴と手提げ袋もあります。
3歳の場合ですと、ある程度小さめの袋での撮影でもOKです。しかし7歳の七五三の場合、千歳飴の手提げ袋があまりにも小さいのはおすすめができません。上でも解説しましたが、千歳飴は「長生きと繁栄」を願った縁起ものなので、「子どもに持たせるには長いなあ」と思うくらいの長さがちょうどよいバランスなのです。
配送方法は指定できますか?
千歳飴を通販する場合、配送料が高くて驚く方も多いことでしょう。これは千歳飴が長い上に、袋を折ったり丸めたりができないため。「ちょっと高いなあ…」と思ってしまいますね。でも”配送無料の千歳飴”にはこだわらない方が良いかもしれません。配送料が安い場合ほど、運搬が粗い可能性が出てくるからです。
千歳飴は縁起物です。万一にも飴がお祝いの前に折れていたり、
袋が折れ曲がっていたら嫌な気持ちになる方が多いことでしょう。キチンと配送をしてくれる業者を指定できる方が安心です。
おわりに
七五三に千歳飴を持つ理由や意味、購入時の注意点等はお役に立ちそうですか?最近では撮影スタジオ等で千歳飴の「袋だけ」は持ったことがあるけれど、実は中身を食べたことがなかった…というご家庭もあるようです。
子どもの長生きや健康、そして繁栄を願った縁起物の千歳飴、えひ一度はその「味」もお試しになってみてくださいね。