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七五三の着物準備!必要なもの完全版

七五三の準備・持ち物

日本の伝統的な行事である「七五三」では、やはり昔ながらの着物でお祝いをするご家族が多いですね。でもお子様に季節七五三の着物って、着物以外にも様々なものが必要になるものです。せっかくの七五三に、忘れ物があっては大変です!七五三の着物を着る際に必要なものを、しっかりチェックしておきましょう。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 京都きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここでは三歳の女の子、七歳の女の子、三歳・五歳の男の子の七五三着物について、それぞれの必要になるものを詳しく解説していきます。準備のポイントや注意点等を添えていくので、参考にしてみてくださいね。
この記事の内容
  1. 三歳女児の七五三着物に必要なもの
  2. 七歳女児の七五三着物に必要なもの
  3. 三歳・五歳男児の七五三着物に必要なもの
  4. おわりに

三歳女児の七五三着物に必要なもの

最初は3歳の女の子の七五三着物の準備で必要なものをリストアップしていきます。

着物:袖に丸み付け、肩上げしておく

着物は三歳のお祝い用に新調される方も居ますが、お宮参りの時にお使いになった初着(祝着・掛着)を加工して使うこともできます。祝着を三歳の七五三にお使いになる場合には、「肩上げ」「腰上げ」を行い、また袖の角が取れるように丸みを付ける加工を行います。紐の位置も体に合わせて変えておきましょう。

着物を新調する場合だと、肩上げ・腰上げ等の加工はお店におまかせです。なお新しい着物には「しつけ糸」が付いていますので、外しておいてくださいね。

七五三着物の肩上げ・腰上げ 等、七五三準備に欠かせない加工を承ります

被布:幼児向けの上着がわりに

被布(ひふ)とは、着物の上からすっぽりと着ることができる袖の無い上着のような存在です。これを着た場合にはしっかりと帯を結ばなくて良いので、三歳の小さなお子様でも着物がラクに着られます。

長襦袢:丸みつけと肩上げ

長襦袢(ながじゅばん)とは、着物の中に着て、袖等からちらりと見せる「見せインナー」のような存在です。長襦袢も着物と同じく、お宮参りから引き続き使う場合には肩上げ等の縫い上げと丸み付けの加工をしておきます。

半衿:長襦袢に縫い付けを

半衿(半襟・はんえり)は着物の襟元からチラリと見せる、オシャレのためのつけ襟です。長襦袢に縫い付けて準備しておきます。

肌襦袢:柔らかな素材が理想

肌襦袢(はだじゅばん)とは、一番内側に着るインナーです。3歳の子が着物を着る場合、慣れなくて不快になってしまう子も多いので、できるだけ肌当たりの優しい素材の肌襦袢を選び、事前によく洗ってなじませることをおすすめします。

兵児帯:不要なケースもあるので要確認

兵児帯(へこおび)はふんわりとした子ども用の帯です。ケースによっては「帯を使わない」「帯は要らない」ということもあるので、確認しておきましょう。

足袋:ストレッチ足袋で快適に

足袋(たび)は今で言うソックスですね。現在ではストレッチがよく効いた足袋が販売しているので、そのようなストレッチ性のものを選びましょう。できれば足袋形のソックス等で事前に歩く練習をしておくのが理想的です。

髪飾り:軽いタイプがおすすめ

髪飾り(かみかざり)には色々なものがありますが、華やかで重い簪(かんざし)だと3歳の髪では支えきれないことがあります。コンパクトで小さく散りばめられるような飾りだと安心です。美容師さん等と事前に相談しておくと良いですね。

草履:低めのタイプが安心

草履(ぞうり)は今でいうとおしゃれなサンダル。3歳だと足元が危ないので、底が高いタイプのものは避けた方が良いです。

巾着:飾りなので小さめに

巾着(きんちゃく)はキュッと絞った形のバッグです。こちらも3「飾り」「持つアクセサリー」のようなものなので、コンパクトで軽いものがおすすめ。

腰紐:使用本数は着付け前に確認

腰紐(こしひも)は、着物を着付ける時に体に巻いて着物を安定させる紐です。体のサイズ、着付け方法等によって必要となる本数が違うこともあります。事前に着付け師さん等に確認しておきましょう。

タオル:体型補正に必要

タオルは着付け時の体型補正に使いますが、不要な場合もあります。

七歳女児の七五三着物に必要なもの

次に7歳の女の子の七五三着物で必要なものをリストアップしていきます。7歳女児が一番、準備するものが多いです。

着物:肩上げ・腰上げを忘れずに

着物を新調した場合には、事前にしつけ糸を外しておきます。昔の着物をお使いになる場合には、肩上げ・腰上げをしてサイズ調整をしておきます。肩上げ・腰上げは「これから体が大きく成長すること」を願った縁起物です。

長襦袢:袖との兼ね合いに注意

長襦袢も着物と同様に、肩上げ・腰上げ加工をしておきます。長襦袢と着物の裄丈が合わないと、襦袢が袖からゾロリと出てしまいますのでご注意を。

半衿:長襦袢に縫い付ける

7歳女児の半衿は、刺繍がたくさんはいった装飾性の高いものが多いです。長襦袢に事前に縫い付けて準備しておきます。

肌襦袢:撮影だけなら不要なことも

肌襦袢はインナーなので外から見えることはありません。そのため「スタジオで撮影するだけ」という場合だと、肌襦袢を省略するスタジオさんもあるようです。

ただお子様の場合は体温が高く汗をかきやすいものです。レンタルでなくご自身のものであれば、肌襦袢をきちんと着て、着物への汗うつりを防いだ方が安心とは言えます。

足袋:ストレッチ性のものが理想的

足袋はどの年齢でもそうですが、ストレッチのよく効いたものを選びましょう。事前に足袋型ソックス等で、あしゆびが分かれた形の履物で歩くことに慣らしておくのがおすすめです。

帯:用途に合わせて選びましょう

帯は大人と同様にきちんと結って使う「ジュニア帯(子ども用袋帯)」か、すでに結んだ形になっている「作り帯(結び帯)」のどちらかを選びます。

重ね衿:すでに付いている場合も

重ね衿は着物に縫い付けてさらに華やかに見せるアイテムです。レンタル着物の場合には、最初から付いてお届けとなることもあります。

帯揚げ:着物に合わせてコーディネート

帯揚げ(おびあげ)は、着物の上から巻いて見せる飾りの布です。着物・帯・帯揚げの色のコーディネートで、雰囲気が大きく変わって見えますよ。

しごき:七五三ならではの小物です

しごきは帯揚げの反対で、帯の下側に巻いて見せる布です。実はこの「しごき」という存在は、七歳のお祝いでしか使いません。昔の着物をお使いになる場合などには、しごきの準備をお忘れのないように気をつけましょう。

筥迫:着物の色に合わせて選ぶ

筥迫(はこせこ)とは、元々は女性用のバニティバッグやポーチのような存在です。現在の七五三では胸元に挿す装飾具といった意味合いが強くなっています。着物の色味や柄行と合わせてお選びになると良いでしょう。

びらかん:筥迫とセットが多い

びらかんは「ビラビラ」としたかんざしのこと。歩揺(歩くとゆらゆらと揺れる飾り)が付いているため、こんなあだ名が付いています。ただし髪飾りとして使うのではなく、これも胸元の装飾具。筥迫とセットで使うので、一緒に購入される方がほとんどです。

扇子:お祝い向けのものを

扇子(せんす)は金糸・銀糸の刺繍等、お祝いごと用のものを使用します。

髪飾り・簪:髪の量と相談しながら

簪(かんざし)等の髪飾り類は、お子様の髪の長さ、髪のボリューム感等も考えながら選んでいくのがおすすめです。

腰紐:着付け師さんに確認を

7歳の着付けの場合、腰紐の使用本数は着付け師さんによっても結構な違いがあります。事前に着付け師さんや着付けの美容院等に本数を確認しておきましょう。

伊達締め:動くことが多いなら必要

伊達締め(だてじめ)は着物の胸元(襟元)の「あわせ」がズレてしまわないように固定するための道具です。短時間の撮影等ならば使わなくて良い場合もあります。反対に長時間のお参り、よく動くお嬢様等の場合だと伊達締めは必須です。

帯板:結び方で必要な枚数が変わる

帯板は作り帯なら1枚でOKです。袋帯等、結い上げる場合には2枚必要となることがありますので事前に確認しておきましょう。

三重仮(三重仮帯):不要なケースもあります

こちらも帯の固定のために使用します。結び帯(作り帯)であれば不要です。

帯枕:作り帯には不要です

帯枕は帯の形をこんもりとさせておくためのものです。結び帯(作り帯)の場合には、帯枕はいりません。

タオル:多めに準備しておく

タオルは着付けの際に体型の補正に使用します。柔らかいものを多めに準備しておくと安心です。

草履:履き慣らしをしておく

草履はお参り等で長時間履く場合には、事前に履く練習(履き慣らし)をしておくことをおすすめします。短時間の撮影のみなら高めの底でも良いですが、神社の中等を歩かせるのならあまり高すぎない底の方が安心です。

三歳・五歳男児の七五三着物に必要なもの

最後に男の子の七五三の着物で必要になるものをリストアップしていきます。

着物:丸み付け・縫い上げを忘れずに

三歳のお祝いの場合には、お宮参りに使った祝着を使用できます。この場合には、縫い上げ・腰上げを行い、さらに袖の丸みつけの加工をしておきます。五歳で着物を新調なさった場合には、しつけ糸を外すのを忘れないようにしておきましょう。

長襦袢:こちらも丸み付けと縫い上げを

長襦袢も着物と同様に、肩上げ(縫い上げ)をしておきます。

半衿:長襦袢に縫い付ける

半衿(はんえり)は事前に長襦袢に縫い付けておきます。レンタル長襦袢の場合だと、最初から襟付きというものもあります。

肌襦袢:柔らかく吸湿性の良い素材がおすすめ

肌襦袢は外からは見えないインナーです。柔らかく、汗をよく吸う素材を選びましょう。短時間の写真撮影のみの場合だと、肌襦袢は不要とする撮影スタジオ等もあります。ただよく動くお子様ですと、短時間でも汗が着物に付きやすいので肌襦袢があった方が良いです。

足袋:汚れの予備があると安心

足袋はストレッチ性のものを選びます。元気なお子様の場合、替えの足袋を用意しておくことを強くおすすめします。全身撮影の際に足袋が汚れてしまっていると、とても目立つのです。

羽織:家紋の準備と縫い上げが肝心

羽織も着物と同じように縫い上げ(肩上げ等)をしておきます。また男の子の羽織には家紋を入れますが、昔の着物ですと「家紋が違う」ということも。家紋は入れ直すこともできますので、早めに準備しておきましょう。

羽織紐:縫い付けを忘れずに

羽織紐は羽織の前をとじる為に使う紐のことです。事前に羽織に縫い付けておきます。

袴:丈のサイズ調整を確認

袴(はかま)は3歳だと省略して、かわりに被布をかぶるスタイルにするご家庭も増えています。5歳の場合だと袴は必須です。袴丈が体に合っているかよく確認を。2~3センチ程度なら長過ぎ・短すぎは着付け補正もできますが、あまりに体に合っていない場合には早めにサイズのお直しをしておきましょう。

角帯:着物とのコーデを楽しんで

角帯は男の子向けの帯です。着物との色のコーディネートを楽しみましょう。

懐剣:細かな意匠にこだわって

懐剣は元々は身を守る存在ですが、今では腰にさす装飾具といったところ。羽織や着物の柄と合わせて意匠を選ぶというこだわった方も多いです。

扇子:懐剣とセット購入が多い

扇子は新規購入の場合ですと、懐剣や羽織紐等とセット販売となっていることが多いです。なお扇子を開いて使うことは無く、あくまでも挿しておくだけのアクセサリー的な存在です。

腰紐:着付け師さんに確認を

腰紐は着付けの際に使用します。着付け師さんまたは着付けを行う美容院等に事前に使用本数を確認しておくと安心です。

小物:地域差が大きいので要注意

お守り、印籠、懐剣以外の刀等、地域によっては男児に様々な小物をもたせる風習があります。女児に比べると地域性による差が大きいので、お住まいの地域の風習をよく確認しておくことをおすすめします。

雪駄

雪駄(せった)は和装用の履物です。3歳の場合も5歳の場合も、「現在の足にぴったりと合うサイズ」を選ぶことをおすすめします。大人のように小さなサイズを選ぶと歩きにくいですし、反対に大きすぎるサイズは見た目に悪く、借り物のように見えてしまいます。

おわりに

七五三の着物の準備で必要なものをリストアップしましたが、準備はすべて揃っていましたか?七五三の準備では、肩上げや腰上げ等の「縫い上げ」の他、半衿の縫い付け等、事前にやっておくべき準備がかなり多いです!早めの準備が大切ですよ。

当店『きものサロン創夢』でも、七五三着物の肩上げや腰上げ、袖の丸み付けや紐の付け直し、半衿付け等の加工を受け付けています。七五三直前になりますとかなり混み合いますので、お早めにご相談くださいませ。

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