お宮参りとは?意味は?神社に行く?誰と?基本の知識Q&A
赤ちゃんが誕生されたご家庭の方、おめでとうございます!さてお誕生直後の忙しさが一段落すると、そろそろ準備を始めたいのが「お宮参り」ですね。お宮参りは新しい命にとって、初めての大きなイベントです。でも「お宮参りとはそもそも何なんだろう」と不思議に思う人も多いのではないでしょうか。
お宮参りとは何ですか?
お宮参りとは、縁のある氏神社(または縁のある寺院)に赤ちゃんが初めて参拝し、親や家族があかちゃんの無事な誕生を神様(仏様)に対して報告する儀式です。お宮参りはおおむね生後1ヶ月前後で行うのが原則とされています。
神社やお寺では「御参り」だけ(お賽銭箱の前で祈りを捧げること)で済ませるご家族もいれば、事前に申し込みをして「ご祈祷」をしてもらうご家族もあります。現代では、その後に写真撮影をしたり、お祝いの食事会等をするのが一般的です。
お宮参りとは何かをとてもカンタンに言えば「家族と赤ちゃんで神社かお寺に行って、神様・仏様に挨拶してくるイベント」ということですね。
お宮参りって歴史があるイベント?
お宮参りは古くは鎌倉時代頃から行われてきたとされる、とても歴史のある行事です。江戸時代により華やかな行事として一般化し、現代では写真撮影やパーティー等も含む楽しい行事となっています。
産土詣でと氏子入り
日本の神道では「産土神(うぶすながみ)」という先祖伝来、または誕生地の守護神がいると考えられています。日本では古来より、生後1ヶ月頃にこの産土神の神社に詣でる「産土詣で(うぶすなもうで)」という行事が定着していました。
産土詣でをして氏子入り(うじこいり)をするということは、「無事に生まれたので、これからよろしくお願いします」と社会的に認められるための通過儀礼のようなもの。いわば入園式や入学式のようなものかもしれません。
産土詣では「お宮(神社等)に行くことから、徐々に「お宮参り」と呼ばれるように変化していきます。この儀式は鎌倉時代頃から行われてきたことがわかっています。
武家社会の儀式としても
各地域での小さな行事だったお宮参りは、武家社会が発展するなかでより大掛かりな行事に変化していきます。例えば武士の家の若様のお宮参りでは、宮参り後に老中等の家をまわり、挨拶回りをする風習が根付くようになりました。
近代からはよりファミリーな行事へ
大正~昭和時代には日本各地で家族写真の撮影が熱心に行われるようになり、お宮参りに写真を撮る週間が根付くようになります。現代でも撮影スタジオ等でお宮参り写真を撮るご家族が多いですね。
またお宮参り後にはご家族で祝いの膳を囲み、赤ちゃんやお母様を労うイベントにもなっています。
お宮参りは神社に行くの?どこに行けばいい?
お宮参りは元々は、氏神さま(産土神様)という出身地や住む土地の神様にお詣りをするものとして生まれたイベントです。ただ現在では必ずしもその決まりはありません。「長くお付き合いができる神社」または「寺院」をお選びになると良いでしょう。
お宮参りは「縁がある神社」が理想的
お宮参りは「子どもが無事に生まれた」という感謝と報告をして、さらに「これからの健やかな成長」を願う儀式でもあります。そのような意味で、お詣りをする寺社は「お宮参りの一回きりでお付き合いが終わる場所」よりも、「これからも付き合ってゆける場所」の方が良いと言えます。
お宮参り寺社の選び方の例
- 現在お住まいの地域にある地元の神社
- 赤ちゃんが誕生した病院がある地域の神社
- お父様・お母様のどちらかの実家がある地域の神社
- お父様・お母様が結婚式を挙げた神社
- お父様・お母様の思い出がある神社
- お父様・お母様の先祖代々の土地の神社
- 毎年初詣に行っている神社 等
例えば新年の初詣にも毎年行ける神社であれば、お子様が初詣に行くたびにも無事の報告ができますね。またお子様関連の行事ですと、この後に「七五三」というイベントが控えています。3歳に1回行ってから、男の子場合は5歳・女の子は7歳の時に2回めの七五三詣を行います。
「一度きりのご報告と感謝ではなく、大きくなるまでのお付き合いで加護を祈るもの」と考えると、自然と行きたい神社も定まってくるのではないでしょうか。
寺院でお宮参りをすることも
お宮参りというと「神社に行くもの」と決めている方も多いですが、実際にはお宮参りで神社をお参りするご家族も少なくありません。お宮参りの祈祷を受け付けている寺院もたくさんあるのです。
これは日本では「神仏混交」という神道と仏教が混ざった形で定着したため。地域の寺院は神社と同じように「子どもたちを守る仏様」として人々に愛されてきました。等に地蔵菩薩や鬼子母神等、子供を守る仏様として知られるご本尊がある寺院では、お宮参りが盛んに行われる傾向が見られます。
お宮参りは神社に限らず、寺院(お寺)もOKというわけです。ただしお宮参りは地域性が強い行事なので、中には「必ず神社でないといけない」とか「このお寺に行くことが決まっている」といったローカルルールがある地域もあります。
お住まいの地域で皆様がどのようなお宮参りをされているか、一度情報収集をしておくと良いですね。
お宮参りは誰と行けばいい?
お宮参りは元々は、赤ちゃんとその父親、そして父方の祖父母が参加する行事として始まりました。しかし現在では「家族みんなのイベント」として変化し、ご両親や両方の祖父母、親族が集うイベントとして定着しています。
両家の意向をよく確認しましょう
現在ではお宮参りは「両祖父母や親族に赤ちゃんをお披露目するイベント」という意味合いも強くなっています。そのため、両祖父母、両親、赤ちゃん、また付き合いの深い親族がいればその人も…といった集まりとなることが多いです。
ただし地域によっては、古来からの風習に則ったお宮参りにこだわるところもあります。お父様お母様、両家の意向をよく確認し、お宮参りへの参加者を決めるようにしましょう。
コンパクトなお宮参りも人気
近年では核家族化が進んだことや、お宮参りの時期の長期休暇が取れないといった理由から、ご両親と赤ちゃんだけでコンパクトにお宮参りを済ませるご家族も増えています。
新型コロナウイルス感染症等の影響で帰省が難しくなり、実家のある地域ではなく現在お住まいの地域で簡略化してお宮参りをされる方も多いようです。
両祖父母の参加が難しい場合には、写真撮影や動画撮影に気を配ってみては。赤ちゃんの健やかな成長がよくわかる写真や動画を見れば、離れて暮らすお祖父様・お祖母様も喜ぶことでしょう。
おわりに
お宮参りとは何か、目的や意味は、神社はどこを選ぶと良いのか…お宮参りについての基本的な情報、なんとなく感覚的におわかりいただけたでしょうか?
お宮参りはご家族にとって、赤ちゃんと行う初めての大切なイベントです。どうかご家族皆様がにこやかに当日を迎えられるよう、準備は万端にして臨みましょう。お宮参りの着物について、お手入れについて等でお困りのことがありましたら、『きもの創夢』にぜひお気軽にご相談ください!