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結婚式に車椅子で参列する服装は?

車椅子着物レンタル簡単に着付けられます

ご家族や知人の結婚式などに車椅子で参列するとき、服装はどうしたらいいのか?と悩む方は多いことでしょう。晴れやかでフォーマルなお祝いの場ですから、マナーに則り、それでいて車椅子でも快適に過ごせる服装を選びたいですね。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここでは結婚式に車椅子で参列する場合の服装について、洋装・和装両方の観点から解説していきます。

創夢代表:坂根克之 障害者団体マルチスイッチの代表:木村寛子車椅子着物考案者:障害者団体マルチスイッチの代表木村寛子様と
車椅子着物制作:株式会社 創夢 坂根克之
車椅子レンタルサービス

車椅子で結婚式 女性の洋装の場合

女性が洋装で結婚式に参列する場合、一般的には次のような服装がマナーとされています。

  • 親としての出席 正礼装 イブニングドレス
  • 親族として出席する場合 正礼装?準礼装 イブニングドレス、ワンピース
  • ご友人・同僚としての出席の場合 略礼装 ワンピース またはフォーマルなツーピース

ただ車椅子で参列する場合、ドレスやワンピースでは座っている体制が辛くなったり、疲れてしまいやすいことも。またトイレの難易度が上がるのも問題です。次のような工夫をすると、快適に過ごしやすくなります。

ワンピースよりセットアップ

略礼装として使いやすいのが、ワンピース風に見えるセットアップ(ツーピース)です。同色・同素材でも上下が別れているデザインを選ぶ事で、座っている時に布の引きつれがワンピースよりも起きにくく、裾などが乱れるのを防ぐことができます。また上半身の動きやすさもセットアップタイプの方が良いです。

ボトムのラクさはパンツ>ミディアム>ロング

車椅子の場合のボトム選びは、トイレでの動きを考慮して選ぶと良いです。介護される場合の着脱のラクさで考えると、パンツスタイル(ゴムタイプ)の方が圧倒的にスピーディ。そのためトイレでも全て介助が必要という方の場合は、パンツスタイルの方ができればお勧めです。

スカートの場合、トイレの際に裾を捲り上げる動作が必要になるため、「腰を浮かせる」という動作ができるかどうかがポイントになります。また丈が長くなるほど捲り上げの動作が難しくなるので、クリップを所持して裾を纏める動作も必要になります。

膝掛けで足元カバーと華やかさを

ロングボトムを選びたいけれどトイレが心配、という場合「膝掛け」に着目するのも手。フォーマルな雰囲気の素材や柄の膝掛けを使用することで、ロングスカートを纏っているかのような華やかさに見せることもできます。膝掛けであればトイレの際に取り外すのもラクなので、トイレで介助が必要な方も安心です。

車椅子で結婚式 女性の和装の場合

女性が和装で結婚式に出席する場合、一般的には次のような服装がマナーとされています。

  • 親としての出席 正礼装 黒留袖(五つ紋)
  • 近しい親族として出席 正礼装 黒留袖(五つ紋?三つ紋) 未婚の場合は振袖
  • ご友人・同僚として出席 準礼装または略礼装 訪問着、紋付色無地 未婚の場合は振袖も

ただ一般的な着物の場合、車椅子の方には着付けからして難しいというのが難点です。また筒状に体を布で包むため、長時間の座位では着崩れがとても起きやすいのも問題ですね。さらに帯が痛い、着付けで苦しいなど、ハードルが様々あります。しかし近年ではそのような着物の問題点をクリアした「車椅子向けの着物」が登場し、注目を集めています。

車椅子向けの着物とは?

車椅子ユーザーの為の着物
車椅子向けの着物とは、車椅子ユーザーの発案から生まれた特別な仕立ての着物です。車椅子での着用を快適にするために、様々な工夫がされています。

家庭でもカンタンに着付けできる

車椅子用着物 お尻部分をU字くり抜き車椅子向け着物は、マジックテープや紐などでカンタンに着脱ができるような工夫がされています。また長襦袢を重ねているように見える構造になっているので、重ね着する必要もありません。着物を着付けするのが初めてのご家族でも、気軽にご家庭内で着付けを行うことができます。わざわざ美容院に行ったり、着付師さんを呼ぶ必要もありません。

上下セパレートで着崩れしにくい

車椅子用 着物は上下セパレート車椅子ユーザー向けの着物は、上半身と下半身がそれぞれ別になっているセパレート仕立てです。布の動きが連動しないため、上半身を動かしてもお尻の方の布がひきつれることがなく、着崩れが起きにくい構造になっています。トップスはカシュクールのような形、ボトムは巻きスカートまたはエプロンのような形状になっていて、着脱が簡易なだけでなく、動きやすいのも魅力です。

帯結びの心配なし

車椅子用着物 前向きの作り帯車椅子向けの着物では、締め付けないワンタッチ帯が採用されています。ギュッと苦しく締め付けられる心配もありません。

また『きものサロン創夢』の車椅子用着物では、帯結びを取り外し可能にしました。ご希望が有る場合には帯結びを外し、背中の帯結びを気にすることなく、深く背もたれに腰掛けていただけます。さらに、前側に専用の作り帯をつけて華やかなオシャレを楽しむことも可能です。

一般的な帯結びのようにお太鼓を後ろ側につけることもOK。お体の状態に合わせて帯を選べます。

留袖や振袖など種類も多彩

車椅子向けの着物にも色々なものがありますが、当店『きものサロン創夢』では、留袖・振袖・訪問着など、様々なフォーマル向けの車椅子の方用着物をご用意しています。ご友人や同僚としてのご出席はもちろん、ご親族として車椅子で出席することも可能です。

【車椅子着物はレンタルもリメイクもできます!】
きものサロン創夢では、車椅子用着物のレンタルサービスの他、お手持ちの着物を車椅子用にリメイクするサービスも行っています。車椅子着物に興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください!

車椅子で結婚式 男性の場合

男性が結婚式に出席する場合、一般的には次のような服装がマナーとされています。

  • 近い親族の場合 父親は正礼装(タキシード等)
  • 親族の場合 準礼装 ブラックスーツ
  • 友人・同僚の場合 準礼装?略礼装 ブラックスーツまたはビジネススーツ(ネクタイは白)

男性が結婚式で車椅子でスーツをお召しになる場合、 長時間の座位に合わせたフルオーダースーツ、またはセミオーダースーツが理想的と考えられます。

短めジャケットでスッキリと

スーツのジャケットは立位に比べて少し短めにすると、座位の車椅子の時にスッキリと見えます。(できれば座位の状態で採寸できるのがベストなので、車椅子でお店に行かれるか、またはご自宅まで採寸に来れるお店を選ぶのが理想的です)

ウエスト緩めで疲れにくく

一般的なブラックスーツは深く座ることを前提にしていないので、どうしてもウエスト周りがキツくなりがちです。腰掛けた状態で疲れにくいよう、ウエスト周りから腰周りはゆったり目を指定することをお勧めします。

着脱カンタンなボトムにする方法も

洋装店によっては、より着脱がカンタンなゴム仕様のボトムで、パッと見にはスーツに見える仕立てにすることも可能です。着脱をラクにしたい場合や、座位のキープが難しい場合などにはどんどん相談して見ましょう。

おわりに

今回は車椅子で結婚式に参列する場合の服装について解説しましたが、お役に立てたでしょうか。当店『きものサロン創夢』では、車椅子ユーザーの方が発案された車椅子用着物のレンタルサービスや、お手持ちの着物を車椅子用にリメイクするサービスも行っています。

「家族の結婚式に着物を着たい」「友達の結婚式に振袖を着たい」といったさまざまな車椅子ユーザーの方のご希望にお応えできるよう、着物の種類も増加中です。結婚式に車椅子ユーザー向けの着物を着たい!とお考えの時には、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

車椅子ユーザーによる発案!

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