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車椅子で成人式に出る時の服装は?3つのヒントで失敗なし!

車椅子ユーザー向けの着物

成人式は人生のポイントとなる大切なイベントの一つです。成人式に車椅子で出席する場合でも、素敵な晴れ着でその日を迎えたいですね。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。今回は車椅子で成人式に出る時の服装について、知っておきたい3つのヒントを解説していきます。

創夢代表:坂根克之 障害者団体マルチスイッチの代表:木村寛子車椅子着物考案者:障害者団体マルチスイッチの代表木村寛子様と
車椅子着物制作:株式会社 創夢 坂根克之
車椅子レンタルサービス

男性 成人式スーツは車椅子用オーダーを

まず男性が車椅子で成人式に出席する場合の服装についてです。男性の場合、成人式の服装はスーツ姿が一般的ですね。車椅子の場合でも、できればシャツ+ネクタイ+スーツの姿が理想的と言えます。市販品で対応もできますが、車椅子の方がスーツで成人式に礼装する場合、車椅子の方向けのオーダースーツ(フルオーダーまたはセミオーダー)をするのが特にオススメです。

1)ジャケット丈を短めに
通常のスーツは「立ち姿」を基準に作られているため、座った状態だとジャケット丈がやや長く見えます。特に車椅子の場合だと、通常丈だと丈が余ってダブダブと不恰好に見えてしまうことも。座った状態で採寸をしてもらい、やや短めな丈でジャケットを作ると、スーツ姿がすっきりと見えます。(丈部分だけをお直しする方法もあります)

2)ボトム丈は?
スーツのボトム(スラックス)は通常、立ち姿で採寸して製作しますが、これだと座った時に裾が上がりますね。車椅子の場合だと常に座った状態になるため、裾の短さが目立ってしまいやすいです。こちらも座った状態を考慮した採寸で、長めの丈でボトムを作ると、足首周りが見えないシックでフォーマルな雰囲気になります。

ただし裾が長くなると、立ち上がった際に踏んづけてしまったり、トイレの際にもたつくこともあります。スーツを着る方のお体の様子によっては、裾を短めにした方が安全であることも考慮しておいた方が良いでしょう。

3)ワンタッチネクタイを使っても
ご自身でネクタイを結んだり直したりことが難しい場合、ワンタッチネクタイを使うのも手。洋装店によっては、スーツやシャツと合ったネクタイを、ワンタッチネクタイにお仕立て直しすることもできます。

女性 洋装ならワンピースに見えるセットアップ

女性が成人式に出席する場合、洋装であればワンピースを選ぶ人が多いですね。これはフォーマルのドレスコードでワンピースの格が高い為です。ただ車椅子で成人式に出席する場合にはツーピース、またはワンピース感のあるセットアップがおすすめです。

1)上下が連動しないので裾が安定
ワンピースは筒状になっているため、座っている状態だと上に向かって布が引っ張られやすく、裾がズリ上がってしまったり、ウエスト周りの布が弛んでしまうことがあります。ツーピースやセットアップであれば、このような上下連動が起きないため車椅子でも着崩れしにくく、また体も楽に過ごせます。

2)ツーピースやセットアップのボトムは?
膝を閉じて座るのが難しい場合や、トイレの介助が難しい場合には、ボトムはパンツスタイルの方が良いです。トイレの際にスカートを捲り上げる体制が取れる場合であれば、スカートスタイルでも大丈夫でしょう。ただあまりロングタイプになると危険度が増すことも。ギャザーやフレアが多すぎないスタイルを選ぶことも大切です。

ボトムの印象が寂しく感じたり、膝や足元をカバーしたい場合には、華やかな素材や加工のあるショール等をひざ掛け風に使うのも手。ひざ掛けであればトイレや移動の際に簡単に取り外したり畳んだりできるので、体を動かすのが難しい方もトライしやすいです。

女性 振袖なら車椅子用の着物がおすすめ

セパレート着物
最後に女性が車椅子で成人式に和装で出席する場合です。成人式の和装といえば、やは振袖(ふりそで)が一般的ですね。ただ車椅子で通常の振袖を着るとなると、着付けをするのが難しかったり、帯が邪魔になる、着崩れしやすいといった問題が多々あります。そのため、車椅子用に作られた着物(振袖)をお使いになることをおすすめします。

1)セパレートになっていて着崩れしにくい
一般的な着物は筒状に着付けるため、タイトなワンピースのような状態になっています。そのため長く座っているうちに布が上に向かって引っ張られやすく、これが着崩れの原因になりがちです。また上に引っ張られる・紐で締め付けられるといった不快感で、長時間の着用が難しいと感じる車椅子ユーザーも大勢いらっしゃいます。

その点、車椅子用の着物(振袖)は、上下がわかれたセパレートタイプになっています。そのため車椅子で座っている状態が長くても布地が上に引っ張られることがなく、着崩れが起きにくいです。また上半身はカシュクールのカーディガンのような作り、下半身は巻き付けたスカートのような作りなので、洋装の感覚で過ごせるのも魅力。疲れることなく成人式を過ごすことができます。

2)ご家庭でカンタンに着付けができる
車椅子用の着物にも色々ありますが、当店『きものサロン創夢』でレンタルやお直しのお取り扱いをしている車椅子用振袖は、一般的な着物とは異なり、難しい着付け技術が必要ありません。マジックテープ(ベルクロ)や結び紐などで、誰でもカンタンに振袖の着付けができます。そのため着付けのために美容院などに行く必要もなく、ご家庭で着付けをすることが可能です。

3)帯結びなし、または前に帯結びを持ってこれる
車椅子で振袖を着る場合、最大の問題となるのが帯結びではないでしょうか。背中の部分に帯結びが当たると痛くて辛いですよね。またむすび帯の窮屈さに辛さを感じる方も少なくありません。

その点、車椅子用の着物では、締め付けの少ないワンタッチ帯が採用されています。帯結びが無いため、背中のゴロゴロ感を気にすることもありません。また帯結びなしのスタイルだけでなく、華やかな帯結び(作り帯)を前につけることもできます。振袖ならではの華やかさを楽しみたい時にピッタリです。

※※車椅子用の振袖は、当店『きものサロン創夢』でもレンタルならびにお手持ち振袖の加工(リメイク)サービスを行っています。レンタル向けの車椅子用着物は、上品な正絹の反物から専門の職人が仕立てた逸品です。また加工(リメイク)サービスでは、お好みの振袖を車椅子用(U字くり抜きの有無等も選べます)にお仕立て直しが可能です。なお、多数のお問い合わせをいただていており、お渡しまでにお時間がかかる場合がございます。お問合せ・ご予約はお早めにお願いします。※※

成人式に車椅子で出席する場合の服装の注意点

最後に、車椅子で成人式に出席する際の注意点について添えます。

着用状態での車椅子での移動の練習を

新成人の方の場合、フォーマルな服を着るのに慣れない方、また振袖などを身につけるのが初めてという方は珍しくありません。いくら車椅子で動くことを考慮した振袖であっても、やはり長い袖を丁寧に折りたたんで膝に乗せてから動くなど、慣れないことは多いものです。

成人式の当日にいきなり礼服を着て動くのは、あまりお勧めができません。できれば1~2回は事前に礼服を着用して、その姿での移動の練習をした方が安全です。(可能な限り、トイレにも慣れておくことを強くおすすめします)

レンタルで車椅子用の着物を借りる場合(またツーピース・スーツなどをレンタルされる場合)も、着用した状態での練習を考えたレンタル日数にした方が良いでしょう。

時間に余裕を持った移動を

いくら動きやすさを考えた車椅子用の着物でも、やはりどうしても普段の洋装に比べれば動きにくいです。肩周りなどが動かしにくくなるため、ご本人が車椅子を動かして移動される方の場合、通常より時間がかかる点を考慮することをお勧めします。

おわりに

車椅子で成人式に出る時の服装についてご案内しましたが、情報はお役に立ちそうでしょうか。当店『きものサロン創夢』では、車椅子の方に成人式を華やかに楽しんでいただくべく、車椅子の方向けの着物レンタルや加工(リメイク)サービスをおこなっています。成人式にぴったりの振袖はもちろん、その他のシーンに使える訪問着やご家族用の留袖など、車椅子用着物の種類も多彩です。

「車椅子で成人式に和装したいけど、どうしよう?」とお悩みの時には、ぜひ当店にお気軽にご相談くださいませ!もちろん「このブログだけではわからないことがあった」というご質問などもお気軽にお寄せください。

車椅子ユーザーによる発案!

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