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七五三に雨…延期?決行?雨対策をしておこう

七五三に雨

三歳・五歳・七歳になったことを祝い、氏神様に健やかな成長を祈る行事である七五三。子どもたちにとってもご家族にとっても大切な行事のひとつです。きれいな七五三着物を着る日ですから、できれば快晴であって欲しいものですが…時には七五三おを予定していた日に雨が降ってしまうこともありますよね。

七五三に雨が降ったらどうするのが理想的なのでしょうか?

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 京都きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここでは七五三を延期・キャンセルする場合の事前準備や雨天時の対策・注意点等について解説していきます。

七五三に雨なら延期?決行??

来週の天気予報が軒並み雨…こんなとき、七五三を延期すべきか決行すべきか悩む人も多いと思います。結論から言うと「屋外撮影・屋外移動があるなら、できるだけ延期できた方が理想的」です。これには4つの理由があります。

  • 着物を雨で汚した場合のリスクが大きい
  • 傘で写真に影ができてしまうことがある
  • 傘などで撮影時のポーズが限定されやすい
  • 雨の状況によっては屋外撮影ができない

「雨の方が空いていて良い!」といったご意見もあるようですが、これは一般的なイベントの場合ですね。七五三だと、雨に弱い正絹(シルク)の着物を身につけることがほとんど。そのため洋服の場合とは違い、ちょっとした移動等も一苦労になってしまいます。

「屋外の着物での撮影」「屋外での着物での移動」が行程に含まれる場合には、できるだけ雨を避ける方向で検討をした方が良いでしょう。

七五三関連のキャンセル対策をしておこう

上でも解説したとおり、七五三は「できたら雨天を避けた方が良い行事」です。各種施設の延期・キャンセルの設定等を確認しておきましょう。

着付け(美容院、スタジオ等)

【事前に確認するポイント】

  • 予約のキャンセル代の発生(前日まで等)の
  • 予約日の変更は可能か

七五三の期日周辺で一番込み合うサービスが「着付け」です。スケジュール延期をする場合には、まず着付けの再予約がいつ取れるのかを確認してからにした方が良いでしょう。

撮影(撮影スタジオ・写真館・カメラマン等)

【事前に確認するポイント】

  • 予約のキャンセル代の発生(前日まで等)
  • 予約日の変更は可能か
  • 屋内撮影のみに切り替えられるか 等

キャンセル規定は撮影スタジ余によって異なりますので事前にしっかり確認を。雨天なおかつ荒天の場合、屋内撮影のみのコースに切り替えるというのも手です。

祈祷する神社・寺院

【事前に確認するポイント】

  • 降車から本堂までの移動距離、移動手段
  • 神社施設の雨天対策
  • 予約のキャンセル代の発生日(前日まで等)
  • 予約日の変更は可能か 等

神社によっては駐車場からテントを貼って、本堂まで濡れずに歩けるように準備をするところもあります。雨天対策がどのようにされているかも延期・結構の見極めポイントになりますね。なお、お詣り(参拝)だけであれば事前予約の必要はありません。気軽にスケジュールを変更できます。

お祝いのレストランや飲食店

【事前に確認するポイント】

  • 予約のキャンセル代の発生(前々日まで等)
  • 予約日の変更は可能か 等

コース料理予約の場合、一般の関のみ予約よりもキャンセル規定が厳しいことが多いので注意しましょう。

七五三の雨対策を準備

どんなに週間天気予報で事前確認をしておいても、前日になって急に天候が悪くなってしまった…というケースは多々あります。前日・当日になってから慌てないように、七五三の雨対策をしっかり準備しておきましょう。

洗濯バサミ

袖・裾をめくって帯の部分で洗濯ハサミで止めると、移動時の泥ハネを防げます。上からレインコートを着る場合でも同じようにしてください。洗濯ハサミは挟む力が強すぎないものを。あまりキッチリ挟むタイプだと跡が付きます。

レインコート、雨コート

子ども用には洋服用のレインコートやポンチョを。裾までスッポリ入る長めのものを用意しましょう。大人の和装には専用の雨コートがありますので、そちらを準備した方が良いです。

明るい色合いの傘

傘の色合いが暗いと、雨天時の撮影で顔色が暗く見えます。クリーム色やベージュ、薄い黄色等、明るい色合いの傘を用意しておきましょう。

タオル

タオルはとにかく枚数を多めに。バスタオルサイズの大きいものから、ハンカチ程度の小さいものまで準備しておきましょう

長靴、草履カバー

子ども用の草履カバーはほぼありません。移動時には草履や雪駄を脱がせ、長靴を履かせましょう。大人は草履カバー(雨カバー)を準備して雨対策を。

替えの足袋

荒天時だと長靴を履かせていても足袋が汚れやすいです。また大人の方も草履カバーをしていても足袋が汚れます。

子ども用のストレッチ足袋はできれば複数枚を買って予備にしておきましょう。また大人は足袋カバーを重ねるか、こちらも予備の足袋を準備します。

ビニール袋

濡れたタオルや汚れた長靴などを入れておくためにビニール袋は多めに用意しておきます。

撥水加工のトートバッグ

雨の日はこれらの荷物をまとめるバッグが必要。傘を持ちながらでも片手を開けられるように、肩掛けができるタイプのトートバッグを用意しておくと良いでしょう。中身が濡れない撥水加工のものが安心です。

雨の日の七五三の注意ポイント

七五三の日に雨が降った場合、当日の行動でもいくつか注意しておくポイントがあります。

着付けは短めに

雨の日の着付けは、裾(すそ)を短めにしてもらいましょう。数センチあげてもらうだけでも、泥ハネなどのリスクが多少は抑えられます。大人が和装する場合も同じです。

大人が手を引いて歩く

小さなお子さんは大人と違って「汚れにくい場所を選んで歩く」ということができません。水たまりの方に行ってしまったり、滑りやすい箇所を歩いてしまうこともあります。

特に3歳~5の子の場合、大人が子どもの手を引くなどして、行動をしっかり引率するようにしましょう。

髪はハードスプレーで固める

雨の日は湿気が多いので、髪型が通常より崩れやすいです。ワックスやジェルなどだけだと下がってくるので、ハードスプレーでしっかり固めるようにした方が良いでしょう。

なおスプレーを使うのは「着物を着付ける前」に。どうしても着付け後に使う場合は、上半身全部にタオルをまいてから使ってください。スプレーの汚れが着物に付くと取れないシミになります。

着物を雨で汚してしまったら

着物を雨で汚してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

レンタルの場合

レンタル着物の規定を事前に確認しておきましょう。会社によってかなりの違いがあります。

一般的に、軽い汚れまでであればクリーニング料金はいらず、レンタル料金のみで返却できる場合が多いです。しかし次のような場合は話が変わってきます。

  • 着物が触ってわかるほどビッショリ濡れた
  • 大きな泥ジミがついた(5センチ以上)
  • 滑って転んで着物を破いた、ほつれさせた など

上のようなシミや損害は「クリーニング料金を実費で支払う」または着物のお買取となることがあります。

ご自分の着物の場合

正絹(シルク)の着物は雨濡れが起こると激しく縮みます。また水濡れした部分だけが縮んで色合いが変化する「水シミ」ができることもあります。これらのトラブルは残念ながらご家庭では対処することができません。

また一般的な「着物丸洗い(ドライクリーニング)」では雨濡れした着物のトラブルは解決しません。最悪の場合、着物を一度ほどいて洗い直す「洗い張り(あらいはり)」が必要となることがあります。

一刻も早く「着物に強い専門店」に相談をしましょう。洋服向けの一般的なクリーニング店だと、水濡れした正絹着物は断られてしまう可能性も高いです。悉皆屋(しっかいや:着物のお手入れ全般を扱う専門業者)など、着物についての知識と技術がきちんとあるお店に頼ることをおすすめします。

おわりに

七五三着物のような礼装用の絹の着物にとって、雨濡れは大敵です。そのためレンタル着物でも、激しい雨濡れ等についてはクリーニングを別料金とする業者さんも多く見られます。これは七五三着物だけでなく、大人向けの色無地や訪問着などでも同じです。

着物をビッショリ濡らした結果、元に戻すために十万円以上がかかってしまったというケースや、大切な着物が縮んで専門店でも元に戻らなかったケースも見られます。キャンセル手続きなどは手間ではありますが、可能であればムリのない天候となる日取りに延期ができた方がリスクは低いと言えるでしょう。

またどうしても雨の日に七五三をしなくては…という場合には、少しの移動でも車(自家用車やタクシー)を使うなど、雨準備の対策を万全にしておきましょう。

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