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長襦袢を洗う頻度・クリーニング頻度は?よくある疑問Q&A

長襦袢

着物のおしゃれを楽しむには、着物のお手入れだけでなく中に着る「長襦袢(ながじゅばん)」の洗濯やお手入れについても知っておきたいですね。さて長襦袢を洗う頻度、クリーニングに出す頻度はどれくらいなのかご存知ですか?

長襦袢のお手入れを正しく行っておかないと、大切な長襦袢がシミだらけになってしまうことも。

坂根克之
坂根克之
こんにちは。着物関係一筋50年 京都きものサロン創夢(そうむ) 坂根克之です。ここでは長襦袢を洗う頻度・クリーニングする頻度や、お手入れの注意点について「よくある質問」をQ&A形式で解説していきます。

長襦袢は毎回洗わなくても平気ですか?

定期的に使う長襦袢なのであれば、毎回洗う必要はありません。ただし、半衿だけは汚れが目立ちやすいので毎回お手入れすることをおすすめします。

傷みやすい長襦袢もある

そもそも長襦袢の生地は薄く、繊細な作りであると言えます。もちろん一部のポリエステル長襦袢のように洗濯機でガシガシ洗っても大丈夫!という製品もありますが、手洗い推奨のものなどは基本的にデリケートです。

長襦袢を洗う頻度を「毎回」と定めてしまうと、襦袢はキレイではありますが、早くに寿命が来てしまうことがあります。

肌襦袢はしっかり洗いましょう

長襦袢の下に着る肌襦袢(はだじゅばん)は、汗をかきやすい部分が直接肌に触れる完全なインナーです。汗をかなり吸っているので、肌襦袢の洗濯の頻度は毎回となります。

よく使う長襦袢を洗う頻度を教えてください

シーズン中によく利用する長襦袢の場合、おおまかに3~4回に一回くらいのペースを長襦袢の洗濯の頻度とされると良いでしょう。ちょっとデリケートなセーター等と同じ感覚と考えていただくとわかりやすいのではないでしょうか。

なお洗濯機洗いに適していて安価なポリ長襦袢等であれば、洗濯の頻度を1~2回の着用に1回にあげて、しっかり洗っても構いません。ただし洗濯機のコースはソフトコースにして、ダメージを防ぐことが大切です。

また次のような場合には、長襦袢を洗う頻度にかかわらず、すぐに長襦袢を洗濯・クリーニングしましょう。

  • 真夏の外出時に使用等、汗を相当にかいた場合
  • 着物を脱いだ時に長襦袢が汗でしめっていた場合
  • シミや汚れに気づいた場合
  • 長期保管をする前(シーズンの終わり)

振袖(留袖)の長襦袢をクリーニングする頻度は?

振袖・留袖等のフォーマル着物の長襦袢の場合、縮みやすい正絹(シルク)製品が多いですから、ほとんどの方はクリーニングを利用されています。長襦袢のクリーニング頻度は、原則として「シーズンの終わり」または「長期保管の前」です。

一度しか来なくてもクリーニングする?

振袖・留袖・喪服着物等の礼装用着物の場合、保管してから次に着用するまでにとても長い期間が空くケースが多いです。例えば振袖を成人式に来て、次に着るのは3年先のお友達の結婚式…といった事例も多く見られます。

クリーニング・洗濯無しで長期間保管すると、酸化シミの発生や虫害(虫食い)・カビの発生といったトラブルのリスクがどんどん高くなります。「次に切る予定が無い長襦袢」の方が、タンスにしまう前にクリーニングした方が良いのです。

長襦袢はドライクリーニングに出せば良い?

長襦袢をクリーニングする場合、できればドライクリーニング(丸洗い)だけでなく、「汗抜き加工」の汗取り対策メニューををつけることをおすすめします。着物に強いお店を選ぶことも大切です。

汗の汚れをしっかり落とすことが大切

長襦袢には着物の中でこもった汗の汚れが意外と多く付いています。この「汗」の汚れは、水をベースにした水溶性の汚れです。ところがドライクリーニングで使用するのは石油系の溶剤です。油溶性の汚れ(皮脂の汚れ)は落とせるのですが、汗のような水性の汚れは落としきれません。

長襦袢に汗の汚れが残ると、後述する「黄変(おうへん)」という酸化シミが生まれる原因になります。汗抜きメニューで汗の成分をしっかりとっておくと安心です。

長襦袢を洗う頻度を増やしたいのですが。

ご自宅で長襦袢を洗う頻度を増やしたいのであれば、洗濯機洗いに対応しているような丈夫な化繊の長襦袢を用意することをおすすめします。

手洗いのものはデリケート

ご自宅で洗える長襦袢の中には、ウォッシャブルシルクのもの等もありますよね。しかし手洗い限定のものの場合、洗えることは洗えるのですが、やはりダメージが蓄積されやすい製品もあります。

長襦袢の縫い目等にダメージが溜まると、寿命が短くなってしまうことも。「よく洗う普段着用」と「時々洗う(クリーニングに出す)おしゃれ用」等、使い分けてみるのが理想的です。

半衿は外さないとダメですか?

半襟は必ず外して洗いましょう。(一部の特殊な製品はのぞきます)半衿毎で洗うと型崩れの原因になります。

ファスナー着脱等の初心者向けも

最近では、半衿の着脱がファスナー等でスルリとできる簡易的な長襦袢も登場しています。長襦袢を洗う頻度を増やしたい、でも半衿を外すのが手間…そんな時には、こんな便利な長襦袢を用意してみると良いですよ。

クリーニングなら付けたままでOK

長襦袢をクリーニングに出す場合には、基本的に半襟は付けたままでOKです。日常的に着物を着ない方、半衿の外し方・付け方に不安がある方、お裁縫がニガテな方は、クリーニングをご利用になるのがおすすめです。

長襦袢を洗濯しないとどうなりますか?

長襦袢の洗濯頻度は著しく少なかったり、洗濯・クリーニングでの汗抜きを行わないでいると、少しずつ汚れが酸化して「変色シミ(黄変・おうへん)」ができてしまいます。

定期的なお手入れを!

長襦袢と着物を同じように考えて「洗わなくて平気!」と思っている方が多いのですが、着物の中の長襦袢はかなり汗を吸っているので、平均的に着物より黄変しやすいです。着物のクリーニング頻度に比べると、長襦袢のクリーニングや洗濯の頻度は定期的にキチンと取っておいた方が良いと言えるでしょう。

長襦袢の黄ばみや茶色いシミが気になります

黄ばみや茶色いシミの原因は、汗等の汚れが時間をかけて酸化した
「黄変(おうへん)」です。長襦袢の黄変は、専門店でも取ることができません。

長襦袢の黄変はプロでも取れない

着物の酸化シミである黄変(おうへん)を取り去るには、熟練の職人が少しずつ漂白をしていく「黄変抜き」という作業が必要になります。素材や染料の耐久度を考えながら行う、とても難しい作業です。

ただ長襦袢は生地が薄いので、黄変を取るような漂白作業に耐えられません。無理に茶色いシミを取ろうとすると、布地が破れたり溶けたりしてしまうのです。

そのため残念ながら、長襦袢の黄ばみや茶色いシミが一度できると、専門店でも対応ができなくなります。黄変をできるだけ作らないために、定期的な洗濯やクリーニング(汗抜き)を行い、予防をすることが大切です。

おわりに

長襦袢の洗濯やクリーニングの頻度について、よくある質問を解説してみました。情報はお役に立ちそうでしょうか?

長襦袢と言っても、気軽に使えるものもあれば、振袖や留袖用に仕立てられた高級なシボ入の正絹長襦袢等もあります。そのため一口に「お手入れ頻度はこれが絶対正解」と言い切るのは難しいところです。

お持ちの長襦袢や着物ライフスタイルに合わせて、ぴったりのお手入れ頻度を見つけていってくださいね。着物のお手入れ専門の『きもの創夢』では、長襦袢のクリーニングやお手入れについてのご相談も受け付けています。困ったこと、わからないことがあったらお気軽にご相談ください!

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